平和への思い新た 前橋空襲72年 市内13カ所一斉に慰霊

平和への思い新た 前橋空襲72年 市内13カ所一斉に慰霊

 535人が犠牲になった1945年の前橋空襲から72年となった5日、前橋市中心部で多くの慰霊行事が行われた。このうち寺や神社、教会計13カ所は午後2時20分に一斉に鐘や太鼓を鳴らして犠牲者の冥福を祈り、不戦を誓った。 一斉慰霊は昨年始まった。大蓮寺(千代田町)では参列者50人が念仏を唱えて焼香した。蓮池光洋住職(74)は「空襲で寺の墓地に逃げ、花立ての水をすすって命をつないだ方もいた。戦争は二度とせず、平和な世界を築いてほしい」と語った。 13カ所で市民学芸員がそれぞれ、空襲翌日に戦争終結を天皇に直訴しようとした故・奥野とめ子さん(●島町)の逸話を紹介した。 住吉町2丁目自治会は防空壕(ごう)跡の慰霊碑前で追悼慰霊祭を開き、子どもからお年寄りまで80人が参加した。ともに前橋敷島小6年の関口柚葉さんと小林慶斗君が「みんなで助け合い、平和と命の尊さを語り継いでいく」と力強く宣言。空襲体験者の柿沼孝会長(77)は「親に手を引かれて逃げた。空が真っ赤だった。当時を語れる人は減ったが、伝えなければいけない」と口元を引き締めた。 空襲翌年から慰霊祭を続ける熊野神社(千代田町)は、当時の被害状況をパネル展示し、実話を基に作られた絵本を配布した。東野善典宮司(39)は今年初めて、空襲のあった時間帯の午後10時ごろから翌6日午前0時ごろまで、大祓(おおはらえ)の祝詞を上げ続けた。 ※●は木へんに「勝」で、よみは「ぬで」◎戦時下の愛 音楽劇で 6日まで公演 前橋空襲をテーマとしたミュージカル「我愛■(ウォー・アイ・ニー)」の公演が5日、前橋市の昌賢学園まえばしホール(市民文化会館)で始まった。まえばし市民ミュージカル実行委員会と市が主催し、小学生から60代までの一般市民83人が出演。観客約900人が戦争の惨禍や自由、人間の愛に思いを巡らせた。6日まで。 満州からの留学生が前橋高等女学校に在籍した史実を踏まえたラブストーリーで、終戦前の前橋が舞台。出演者たちは戦時下でも人間性を失わず、自由を求めて戦う姿を歌と踊りで力強く表現し、会場から大きな拍手が湧き起こった。 戦後70年の2015年夏に上演した「灰になった街」に続く、前橋空襲全3部作の2作目。前橋女子高音楽部の元顧問、新陽一さんが実行委員長を務め、脚本を手掛けた。6日は午後2時開演。一般1500円、高校生以下1000円。 ※■はにんべんに「弥」のつくり◎「ポケGO」愛好者大挙 参拝者が苦情 5日夕、前橋空襲の慰霊行事をしていた前橋市千代田町の熊野神社と周辺で、スマートフォン向けゲーム「ポケモンGO」の愛好者が大挙して押し掛け、参拝者から苦情が出る場面があった。 神社関係者によると、100人以上の愛好者が集まり、路上駐車したり、スマホを操作しながら追悼碑や灯籠が置かれた境内に入り込んだ人がいた。参拝者からは「節操がない」といった声が聞かれたという。 ゲーム内では現在、無作為に出没する「伝説のポケモン」などを、現地に集まった複数人で制限時間内に倒して捕まえる企画が行われている。 神社近くでポケモンGOをしていた市内の20代女性は「逃せば次はどこに出るか分からない。時間制限もあって焦り、マナーの悪いことをしてしまう人もいるのではないか」と推測した上で、「偶然集まった人と知り合うなど楽しさもあるゲーム。一人一人がマナーを意識するべきだと思う」と話した。

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