「三山春秋」【上毛新聞】

▼沼田市出身の作詞家、林柳波(1892〜1974年)は、童謡「うみ」「おうま」をはじめ生涯で1000編以上を残した。校歌を作詞したことでも知られ、関東、中部地方の小中高校、大学40校余りを手掛けたとされる▼県内は現存しない学校を含め9校ある。〈紫匂う赤城山流れさや鳴る利根の水〉(沼田小)、〈榛名の頂朝日にきらめき妙義の峰々夕雲かがよう〉(高崎一中)—と歌い出しから迷いなく地元の自然を詠み込んでいる▼読み比べると、どの歌詞にも「山」が登場することに気付く。身近でありながら雄大な存在は、包み込んでくれる母校や古里の懐の大きさ、温かさを象徴している▼柳波は山の雄大さや強さ、優しさを表現した校歌だけでなく、躍動感あふれる軽快な作品も書いている。33年の尋常小学校唱歌に収録された「スキーの歌」だ▼〈輝く日の影、はゆる野山(中略)麓を目がけてスタートきれば粉雪は舞い立ち、風は叫ぶ〉。雪山をリズムよく疾走する光景が浮かび、胸を躍らせてくれる▼東京を拠点に活動した柳波だが、古里の山は胸の中にいつもあったのだろう。県外に暮らす出身者も、日常の中で身近に感じている県民と同じように、山を思い、山を愛し、山を歌う。今日は「山の日」。校歌に描かれた古里の山は、今どんな表情をしているだろうか。

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