「三山春秋」【上毛新聞】

▼〈一番はじめは一の宮。二また日光中禅寺。三また佐倉の惣五郎。四また信濃の善光寺〉。30年ほど前に亡くなった祖母に教えてもらったお手玉の数え歌を口ずさむ機会があった▼7月末の深夜、高崎市内の自宅に帰ろうと車を運転していた時だった。すぐ前の車が徐行しながら人をよけていた。車道上をややふらつきながら歩く高齢の女性がいた▼すぐに車を止めて名前や住所、通行目的を聞いてみたが、要領を得ない。女性はこわばった表情のまま、無言で車道を進んでいく。何とか女性の緊張を解きたいと声を掛け続けた結果、冒頭の数え歌となった▼女性はにっこり笑い、お手玉で遊ぶような手つきまでしてこちらの指示通り安全な場所に座ってくれた。その後の110番通報で駆け付けた警察官に引き渡し、無事に家に戻れたことを翌日知った▼高崎市は2年前から、徘徊(はいかい)する高齢者を救援するために衛星利用測位システムを靴やベルトに仕込める機器を無償で貸与している。7月末現在で266人に貸し出し、システムを活用した発見保護は219件に上る▼最新機器の力を借りる一方で、徘徊が疑われる高齢者に優しく声を掛けることが大切だ。〈80歳で迎えが来たらまだまだ早いと言いなさい〉。今は人生100年の時代、祖母の湯飲みに記された長寿の数え歌を思い出した。

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