平年は11月中旬に見られる前橋の初霜が今月15日現在もなお観測されず、県内は暖冬傾向が鮮明だ。冬の風物詩の氷上ワカサギ釣りは結氷不足で解禁できず、スキー場の多くが降雪不足から一部ゲレンデを開放できずにいる一方、冬季閉鎖を免れるゴルフ場には恩恵となっている。気象庁は関東甲信地方が今後、2月上旬にかけて平年よりも気温が高くなると予想。冬季レジャー関係者には悩ましい陽気が続きそうだ。◎前橋の初霜観測もまだ 「こんな年は初めて」 毎年、多くの釣り客でにぎわう赤城大沼(前橋市)の氷上ワカサギ釣り。赤城大沼漁業協同組合(青木泰孝組合長)が11日に実施した氷厚検査で、組合が設ける基準(15センチ)を下回る8〜12センチにとどまった。15日朝の再検査では厚い部分は20センチ近くになったが、まだ11センチ程度の部分も。安全面を考慮して解禁を見合わせ、19日に再び検査することにした。 全国的な暖冬傾向で、福島や長野など近隣県でもワカサギ釣り解禁のめどが立っていない状況。青木組合長は「(いち早く解禁し)観光客が殺到した場合、危険が生じることもある」と説明し、慎重に見極める考えを示した。 高崎市の榛名湖でのワカサギ釣りもまだ解禁されていない。榛名湖漁業協同組合の野口正博組合長は「今年は全然氷が張らない。例年のこの時季は3分の2くらい氷が張るが、こんな年は初めて」と話した。 北部の山間地も降雪量の少なさに悩まされている。嬬恋村のスキー場「パルコール嬬恋リゾート」は例年に比べ30〜40センチほど積雪が少ない。例年1月中旬には全面滑走が可能だが、今年はまだ7割程度という。担当者は「自然降雪はほぼない状態。3月末まで営業予定で、降雪を待つしかない」と打ち明ける。 沼田市の老神温泉は18日から雪や氷の灯籠が温泉街を照らすイベント「老神温泉 雪ほたる」を予定するが、積雪不足で開催時期の変更を検討する。同温泉観光協会の金子充会長は「もう少し積もらないと難しい」と話していた。 一方、暖冬を歓迎する声も。富岡市の三つのゴルフ場などを運営するパシフィック・ゴルフ・マネージメント(東京)は冬の利用者数が3年連続で増加しており、担当者は「少しずつだが暖冬の恩恵を受けている」と説明。他に積雪の影響で例年冬季閉鎖するゴルフ場が今季は営業期間を延ばしたケースもある。 前橋地方気象台によると、寒気の入り込みが弱く、前橋の1月上旬の平均気温は平年より2.1度高い5.9度。利根沼田地域の最深積雪も、みなかみ26センチ、藤原(みなかみ)42センチと、平年の3割程度にとどまった。◎この時季に珍しい霧 雲海 つかの間の絶景 早朝の赤城山 赤城山の覚満淵と赤城大沼では15日早朝に霧が発生し、幻想的な景色が広がった。 雪が降り積もった周辺の山並みが朝日で輝き、鳥居峠(前橋市)から関東平野を望むと、眼下に雲海が広がっていた。午前8時ごろまでのわずかな時間の出来事だった。 大沼湖畔にある青木旅館によると、この時季の霧は珍しく、例年よりも気温が高いためではないかという。