3月19日(木)、F1は新型コロナウイルス感染拡大の影響を考慮し、開幕4戦に引き続き、オランダ、スペイン、モナコの各グランプリも、開催を延期することを発表した。その後モナコは、今季の開催を断念することを明らかにしている。

 オランダGPは開催スケジュールの変更が目指されているリストに残っているレースである。通常は8月に実施するF1各チームのファクトリー閉鎖時期を3〜4月に前倒しし、8月にレースを開催できるよう調整されているため、オランダGPもこの期間での開催が目指されている。

 オランダGPの観戦券は、同国での久々のF1開催、マックス・フェルスタッペン(レッドブル)の大活躍などにより、すでに完売。一方で、海辺のサーキットを再構築するのに伴う莫大な費用を考えれば、今季日程を変更してレースを開催するのは簡単ではない。

 オランダGPのスポーティングディレクターを務めるヤン・ラマースはmotorsport.comの取材に対し、最終的には今季のレース開催を諦める必要があるかもしれないと認めた。

「それも結果のひとつかもしれないという事実を受け入れている」

 ラマースはmotorsport.comに対してそう語った。

「まだ、新型コロナウイルスの感染が広がっていない国もある。そのグラフのピークはどこにあるのだろうか?」

「中国ではコンロトールできるようになりつつあるようだが、現時点で我々は一体どの段階にいるのだろうか? 我々はコントロールできていると考えたいところだが、実際にはそうではない。全ての鍵を握っているのはウイルスだ」

 ラマースは、プロモーターが直面する困難を認めつつも、より大枠で物事を考えているようだ。

「もちろん、我々はファンに対して申し訳ない気持ちでいる。しかし同時に、ファンも我々と同じ世界に住んでいるのだ」

「鍵を握っているのはウイルスなんだ」

「現時点では、どれほど不便で、悪く悲しい状態であるのかという点においては、絶対に同情したくはない。なぜなら、閉鎖されてしまった企業もあるし、日々のお金に困る人々もいるんだ」

「現在、世界中で非常に多くのことが起きている。そのため、5月3日にグランプリを開催するのは全くもって間違っている。もしできたとしても、それがやりたいことなのかどうかを、自分自身に問いかける必要があるんだ」

「最も重要なニュースは”OK”だということ。5月3日ではない。現時点での最大の問題は、”いつになるのか?”ということだ」

 前述の通り、ファクトリーの夏季閉鎖期間が春に前倒しされたことにより、8月に延期されたレースを開催する方向で調整が進められている。この8月開催の可能性について問われたラマースは、新型コロナウイルスにまつわる状況が改善されなければ、開催できない可能性があることを認める。

「もし7月までにこの国と世界から新型コロナウイルスが排除されたと言えれば、我々は大喜びする。でも、それはどれほど現実的なモノなのだろうか?」

「現時点では、あらゆる種類のシナリオに対処する必要がある。ファンとしても、1年延期すればいいとは限らないと疑問に思う方もいるだろう。全ての可能性がある」

「8月が集中しなければならないモノであるなら、それをキャンセルしなければいけないというのは、時間の問題かもしれない。それは全て、我々が住んでいる世界で起きているモノだ。周りを見渡して、それがどれほど現実的であると言えるだろうか? 教えて欲しいものだ」

 ラマースは、誰もが世界的な状況を考慮しなければならないと語る。

「ベルガモ(イタリア)では、30分ごとに葬儀が行なわれている」

「もしあなたがF1のファンで、チケットを買い、グランプリで今何が起きているのかを考えなければならない場合、それはドラマや災害ではなく、不便だと思うだろうがね」

「ある日健康だった人でも、次の週には彼らの命のために戦っている。自分の周りでそれが起きなかった場合、幸運だと考えなければいけない」