TGR TEAM SARDに加入した脇阪寿一監督は、スーパーGT岡山公式テストを終えて新体制のチームには課題が山積みだとしつつも、チームとともに成長していきたいと意気込んだ。

 昨年、LEXUS TEAM LEMANS WAKO’Sの大嶋和也/山下健太組をGT500チャンピオンに導いた脇阪寿一監督。2020シーズンはTGR TEAM SARDの監督としてチームをチャンピオンに導くべく、早くも始動していた。

 今シーズンのTGR TEAM SARDはドライバーこそヘイキ・コバライネンと中山雄一のコンビで変わりはないが、脇阪監督が加入したのをはじめ、エンジニア陣など主要メンバーで大幅な入れ替えがあった。

 2日間のテストでは順調に周回を重ね、1日目には総合7番手、2日目には総合9番手につけた#39 DENSO KOBELCO SARD GR Supraだが、新しい体制となったチームをイチから作り上げるということもあり、脇阪監督としても“順調なスタート”を切れたという感じではないようだ。

「いやぁ……課題は山積みです」

「サードはサードなんですけど、人が大きく入れ替わっていて、エンジニアも変わっています。そうなってくると……色々と難しいです」

「でも、ここからこのメンバーとともに皆が同じ意志で成長できたら、楽しいですからね。それまでは頑張ろうかなと思います」

 脇阪監督の加入についてはドライバーふたりもポジティブな方向に捉えているようだ。中山雄一は新体制が機能し始めれば、必ずチームは良い方向に行くと確信しているようだ。

「(田中)耕太郎さんが別のチームに行ってしまいましたが、エンジニアが2人から4人に増えてデータの解析力も増えていると思います。それをどうやって使っていこうかという部分で……まだテストができている時間が少ないなという感じです」

「(脇阪監督の加入で)すごく良い方向に雰囲気が変わったと思います。チームが良くなっていく方向には進んでいると思います。正直……言われてムカつくこともありますけど、それが良いパワーに変わっていると思うので、ポジティブに捉えています」

 またコバライネンも、ここ2年にわたって苦戦を強いられたチームのことを考えると、このタイミングでの体制変更は良いことだと語った。

「大幅な体制変更をするには良いタイミングだったと思う。過去2シーズンは満足いく結果が出せていなかったことを考えると(結果を出すために)何か違うことをする必要があるからね。全体的には問題なく仕事ができている。寿一さんとも楽しく仕事ができている。もちろん、このチームをもっと機能させて形にしていくには時間が必要だけど、この体制変更は今後のことを考えると良いことだと思っている」

 セッション中もピットガレージ内とピットウォールを頻繁に行き来し、各メカニックに指示を出していた脇阪監督。頭を抱えたくなる場面もあったというが、この岡山公式テストを皮切りに、サードのチームスタッフとともに成長していきたいと語った。

「いきなり僕が来てあれこれ言っていく中で、サードのみんなも僕の言うことを聞こうとしてくれています。それには感謝しています。本当に今は大変です。これからも大変だと思いますけど、チャンピオンを目指して頑張りますよ」

 その心境になれるのも彼の中ではチームルマンでの“成功経験”があるからだ。脇阪監督が岡山国際サーキットに到着すると、真っ先に挨拶にきたのが昨年までチームルマンでともに戦っていたメカニックたちだったという。お互いに様々な苦労を乗り越えて掴んだ昨年の栄冠だったからこそ、今も信頼できる仲間でいられるのだ。

「例えるのはおかしいかもしれないけど、僕がこうして岡山のサーキットに着いたら、14号車とかアウディの21号車から(昨年までチームルマンのメカニックをしていたメンバーが)何人も挨拶に来てくれて、今年の自分たちのことを報告に来てくれました」

「彼らには『いいか、君たちは“チャンピオン”なんだぞ。それはプロフィールに書くことではなくて、仕事で“チャンピオンである”ことを示せよ!』って言ったら、みんなニコニコしながら『そのつもりです!』って言ってくれました」

「みんなでしんどい時間を過ごしてきた中で、彼らとともにそういうフィーリングを味わえたとするならば……今は大変ですけど、今度はこのチームで頑張ろうかなと思います」