ベネトンやルノーでF1チームを率いた経験を持つフラビオ・ブリアトーレは、フェラーリがシャルル・ルクレールの昇格を躊躇したことで、時間を無駄にしたと考えている。

 ルクレールは2018年にアルファロメオ・ザウバーからF1にデビュー。印象的な走りを見せて2019年のフェラーリ昇格を決めると、2勝を挙げてチームメイトのセバスチャン・ベッテルを上回るランキング4位を獲得した。

 フェルナンド・アロンソなど数多くのドライバーのマネジメントを担当した経歴を持つブリアトーレは、F1のポッドキャスト『Beyond the Grid』でルクレールを賞賛し、フェラーリはルクレールにもっと早く活躍の機会を与えるべきだったと主張した。

「ルクレールは若く、度胸がある。彼はそれを証明してみせている」

「もし私がフェラーリにいたとしたら、(キミ)ライコネンの代わりにルクレールをもう2年早くフェラーリに入れていたと思う。なぜなら、ご存知の通りライコネンは行き詰まっていたからだ。彼と勝つことはできなかっただろう」

「私ならリスクを冒してでも、ルクレールをクルマに乗せる。ルクレールは本当に強い男だ」

 2年早くフェラーリ入りを果たすということは、2016年にルクレールがGP3(現FIA F3)王者となった直後、F2をスキップしてフェラーリでF1を戦うということになる。

 ライコネンは2018年の第18戦アメリカGPで優勝するまで、5年以上優勝から遠ざかっていたとはいえ、ブリアトーレが主張するように当時19歳の若者をいきなりフェラーリが起用したとしたら、かなり挑戦的な選択になっていたと言えるだろう。

 2019年の活躍で、次世代のチャンピオン候補だと見なされているルクレール。しかしブリアトーレは、経験が足りないルクレールはまだ”真のスーパースター”ではなく、ルイス・ハミルトン(メルセデス)やマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の方が一段上のステップにいると考えている。

「今のところ、ルクレールは(ハミルトンやフェルスタッペンに並ぶかどうか)判断できない」

「私が見るに、フェルスタッペンの方がより素晴らしいドライバーだ。彼のオーバーテイクはファンタスティックだ。まるでグラディエーター(剣闘士)だよ」

 2020年のF1は、ハミルトンがミハエル・シューマッハーに並ぶ、7回目のチャンピオンを獲得するかどうかが注目されるシーズンとなる。シューマッハーがベネトンで1994年と1995年にチャンピオンを獲得した際、マネージングディレクターを務めていたブリアトーレは、ふたりの功績を直接比較することはできないと考えている。

「ミハエルは、(アイルトン)セナのような大物たちと戦っていた。ミハエルがF1に入った時、ナイジェル・マンセルやセナがいて、戦いは厳しかったということを認識する必要がある」

「今の方が争いは少ない。いたとしても2、3人だろう。以前より少なくなっているんだ。ハミルトンに対して、誰もプレッシャーをかけられていない。彼は楽に勝つことができる」

 ブリアトーレは、ドライバーにとってライバルからプレッシャーをかけられた時こそが、真の試練となると語った。

「それは誰にとっても同じだ。シューマッハーも、誰かが肉薄すると間違いを犯したし、フェルナンドもそうだ。誰もがミスをするものなんだ」

「タクシードライバーのように運転し、それでも全てを勝ち獲っていくようなら、それはスーパードライバーだということだ。ハミルトンは、F1にふたりいるスタードライバーのひとりだ。ふたりとは、ハミルトンとフェルスタッペンのことだ」