新型コロナウイルスの感染拡大によりF1シーズンが開幕できていないため、各F1チームは財政的な危機に直面している。これに対処するため、マクラーレンは4月の初め、多くのチームスタッフを一時帰休とする決断を下した。イギリスでは政府が給与の80%を保証しているため、これを活用した格好だ。

 マクラーレンはまた、ドライバーのカルロス・サインツJr.とランドのリス、そしてチームの上級メンバーの報酬も削減している。

 ハースやレーシングポイント、ルノー、ウイリアムズなども、同様の措置を講じ、現在の危機に耐えようとしている。

 マクラーレンのチーム代表であるアンドレアス・ザイドルはmotorsport.comの取材に応じ、現在の危機による財政面への影響の深刻さとその不確実性のため、スタッフを一時帰休とすることは必要不可欠だったと語った。

「その影響は、まだはっきりしていない。そして今回の危機が経済に与える影響を把握するのは不可能だ」

 そうザイドルは語った。

「我々は、現時点ではレースに行けないことは分かっているし、収入が少なくなることも分かっている。これが、スタッフを確実に守るために、様々な対策を講じなければならなかった理由だ。この危機が終息すれば、チームを適切な形に戻し、可能な限り最高の形でリスタートする」

「これらの措置のひとつは、我々のスタッフを一時帰休とすることだった。このことは、私が仕事をしてきた中でも、最も難しい決断のひとつだったのは明らかだ」

「しかし我々は、ザク(ブラウン/マクラーレンCEO)と共に、チームをできる限り守り、再起動させるために、必要な決定だということを明確にした」

 現在チームのファクトリーは、前倒しされた夏季閉鎖に入っている。”プロジェクト・ピットレーン”の一環として、新型コロナウイルスに感染した患者を救うための人工呼吸器を製造するスタッフたちが引き続き業務を続けているが、それ以外の業務は完全に停止されている状況だ。

「人工呼吸器の製造を除く、ファクトリー全体が完全に停止しているため、インフラに関する計画も保留となっている」

 そうザイドルは語った。

「我々は今、このプロジェクトに取り組んでいる全ての企業やサプライヤーと共に、再び動き出すまでにどれほどの遅れが生じるのか、それを見極めなければいけない」