2020年のF1は新型コロナウイルスのパンデミックにより、今もシーズンが中断されている状況だ。

 F1側は7月のオーストリアGPを無観客で開催することでシーズンを再開し、最終的に年15〜18戦の開催を目指すと公式に語っている。夏にヨーロッパでレースを再開させ、秋にはフライアウェイ戦、そして12月に中東へ戻るというスケジュールが、彼らの想定しているものだ。

 オーストリアGPについては1会場2レース案が予想されており、その他にも再開初期のいくつかの開催地では2レースを行なうことが想定されている。

 しかし、F1がシーズン再開を目指すことを明らかにしていても、防疫体制や当局による規制など問題は数多く残っているように思える。

 F1マネージングディレクターのロス・ブラウンは、オーストリアでのシーズン再開に向けた計画の詳細をF1のポッドキャストで明かし、新型コロナウイルスの厳密な検査によって、感染を防ぐ環境づくりを目指していると話した。

「ロジスティクス上での課題のひとつが、全員が検査を受け、パドックへ入り、レースができる環境にすることだ」

「そして一度それを行なったなら、全員を次のレースに向けて一種の“バイオスフィア”のような環境にキープすることが非常に魅力的になると思う。ただ、そうした環境を十分に制御できる適切な場所を見つけるのは、かなり難しい」

 つまりブラウンは、レースとレースの間で、関係者全員を一箇所の閉鎖的な空間でまとめて待機させ、新型コロナウイルスへの感染リスクを限りなく抑えたいと考えているのだ。彼はさらにこう続けた。

「オーストリアはそうした要求によく合致している。サーキットの隣には地方空港があり、飛行機をチャーターすることができる。大都市にも近すぎず、周囲には素晴らしいインフラが整備されている」

「モーターホームは無いだろうが、サーキットには完全なケータリング設備が備わっている。我々は基本的に、そうした環境内に全員を収容することができるんだ」

「そのため、一度そこへ行けば翌週に再びレースをすることは非常に魅力的だ」

 ブラウンは移動やソーシャルディスタンシングといった規制がある中、レースを開催するためにF1は大きな物流上の課題に対処していると語っている。しかし彼はファンにとっても、スポーツ界にとってもシーズンを再開させることが重要だと感じていると強調した。

「我々はドライバー、エンジニア、技術者やレースに関わる全ての人々が安全な環境で確実に働けるよう、すべての要求に取り組んでいる」

「ファンを迎え入れられないというのは非常に残念だが、それでもTVなどで見てくれている全てのファンへレースを届けることができると感じている」

「シーズンを進めていくこと、それを試みることが重要なんだ。理由のひとつは当然、遅れによって不満を抱いているファンたちをエキサイトさせることだ。この先には、とてもエキサイティングなシーズンが待っている」

「同時に、これは何千人もの人々にとって非常に重要な生計の場でもある。それがシーズンを再開させようとするもうひとつの理由だ」