35年ぶりにF1カレンダーへの復帰を果たす予定だったオランダGPは、新型コロナウイルス流行の影響で延期となり、現在は代替日程の調整が行なわれている。

 オランダは9月まで国内での大規模イベントの開催を禁止しているが、F1は夏の間、オランダGPを含めたヨーロッパでのレースを無観客で実施することを目指している。

 オランダGPの舞台であるザントフールトのスポーティングディレクターを務めるヤン・ラマースは以前より、無観客レースの開催に難色を示していた。しかしながら、F1のオーナーであるリバティメディアがチケット収入の損失などを補償した場合、無観客レースを開催することになるだろうと語った。

 無観客レースに関心があるかどうかについて尋ねられたラマースは、次のように語った。

「もちろんだ。ただ、だからといってそのためにお金をかけるということはない」

「それには多くの時間と労力を割くことになる一方で、これらはF1というスポーツを助けることになる。しかし、ザントフールトの財政的な観点から責任ある行動をとる必要がある」

「単刀直入に言えば、それ(無観客開催)にお金をかけるべきではない。FOMとリバティメディアが、ザントフールトでのレースを観客を入れずに開催したい場合、その運営費の全てを支払わなければならないと思う」

「そしてそれはかなりの金額になる」

 F1はグランプリ側からの開催権料を失うことになるため、収益が大幅に減ることが予想されているが、今季15〜18レースを開催することを目指している。一部のトラックでは無観客でレースをすることに合意しているが、イベントのプロモーターとF1との間でどのような財政協定が結ばれているのかは不明だ。

 そんな中で現在は、当初2020年シーズンのカレンダーに名を連ねていなかったイモラ・サーキット、ホッケンハイムリンクなどもF1開催の可能性がある場所として候補に挙げられている。

 ラマースは、これらのサーキットでF1が開催された場合、今後もF1カレンダーに残ろうとする動きが出てくることを警戒している。

「我々が無観客レースの実施にあたって求めているものは、ホッケンハイムやイモラなどと同じだろう。彼らはおそらく実質的に無料でレースを開催することを提案しているだろう」とラマースは語った。

「ただそこでF1が開催された場合、それらのトラックは今後もF1カレンダーに残ろうとするだろう。『我々はF1がコロナの危機を乗り越えることに貢献した』などといって商業的な交渉に利用するかもしれない」

 現在はオランダ人ドライバーのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が活躍していることから、オランダGPはF1カレンダーの中でも最もチケットが売れるイベントのひとつであると目されていた。ラマースは新型コロナウイルスのパンデミックが収束すれば、オランダGPはF1屈指の大規模なイベントを開催できると自信を持っている。

「それは1年以上かかるかもしれない。(オランダGPが2020年の開催を断念して)36年ぶりの復帰になろうとも、それほど大きな違いはない」

「新型コロナウイルス(のパンデミック)が落ち着けば、我々は通常のイベントをより良い形で運営できるだろう。我々が計画していたイベントをソーシャルディスタンスを守る形で行なうのは難しいのだ」

「ファンと共にレースをすることを許されるようになれば、我々はたくさんの人々と素晴らしいパーティを開きたいと思っている」