F1サーカスに関わる人間の中で、テレビに映る者はごくわずかだ。このシリーズでは、F1に関わる様々な人々に密着していく。今回はアルファタウリF1でコミュニケーション部門の責任者を務めるファビアナ・ヴァレンティに話を聞いた。

■私の仕事

 まず私が言いたいことは、私の仕事が本当に夢のようなモノだということです。私はスクーデリア・アルファタウリでコミュニケーション部門の責任者として、世界中を旅し、チームのコミュニケーションに関わる全ての事を担当しています。

 しばしば外部の人がチームに連絡を取る際の最初の窓口になりますが、その中の大きなグループのひとつがメディアです。他にもトラック内外での全てのPR活動も担当しています。

■レースウィークエンドのスケジュール

 ドライバー、そして主な管理職の毎日の予定に気を配るのはとても忙しいです。PRとマーケティングのチームは、トラックでオペレーションを担当するチームよりも肉体的にはかなり楽ですが、ストレスはとても多いですね。

 F1では1分だって大切なので、私達はドライバーそして管理職のスケジュールを遅延なく進めなくてはなりません。

 サーキットに到着すると、メカニック、エンジニアと一緒に朝食をとります。朝食を終えたらメールをチェックして、なにか新たなリクエストが来ていないか、そしてスケジュールでそれ以上応えられるかどうかを確かめます。

 もう一度確認して、全て何の問題もないかを確かめます。プランBも常に準備しておく必要があるんです。

 木曜日はエンジニアリングの観点からドライバーの準備日と考えられています。またファンイベントやPRイベント、インタビューを割り当てる時間もあるので、彼らにとってはメディアデーかもしれません。

 金曜日、フリー走行が始まるとそういったことの時間はより制限されるのは確かです。木曜日にはオープンセッションや1対1のインタビューの時間もありますから。ただ、トラックでの活動がある時でもメディアがアクセスできるようにすることは重要です。そのため、日曜のレース後まで毎日メディア向けの割当があります。

■仕事で最も重要なこと

 人間関係です。私はその側面がとても好きですね。自分はとても社交的な人間で、何時間もひとりでパソコンの前にいる自分は考えられません。

 チーム内ではドライバー、そしてチームメンバーと良い関係を築きたいと思っています。多分私の年齢や態度のせいなんでしょうけど、“お母さん”と呼ばれがちなんです。

 結局の所、自分の家族よりも彼らと過ごす時間のほうが長いんです。ですからできる限り親切に対応しようとしています。時には毅然と自分の言葉を伝えなければならない事もありますが、できる限り良い環境を作ってあげたいと思っているんです。

 チーム外でも、良い関係を築くのが好きです。新しい人と知り合うのが好きですし、みんなの面倒を見つつ、日々のメディア対応の中でできるだけプロとして効率的にしていきたいと思っています。

 私のモットーは『ノーと言う勇気を持て』です。ノーと言わなければならない時は、それが役に立っているように感じます。

■これなしでは仕事ができない3つのツール

 ひとつ目はノートPCですね。どこへでもこれを持ち歩いていますし、休日にも持っています。何が起こるかわかりませんし、常に対応できるようにしておきたいんです。

 ふたつ目はボイスレコーダーです。全てのインタビューやオープンセッションを録音するためのものです。ただこれは話すことを全てコントロールしたいから、といった理由ではありません。全てを書き起こして管理職に報告することはないです。

 一般として、私達のドライバーは自由に自分の考えを話すことができます。しかしそこに議論がある場合には、話したことをチェックし、誤解を明確にする可能性があります。それから取材を逃したメディアが必要とした場合に、そのファイルを提供することもあります。

 時には興味深かったインタビューを聞き直すこともあって、ドライバーをより深く知るには良い方法なんですよ。

 3つ目、携帯電話は外せません。私達は世界中を飛び回っているので、私達がいつどこにいるのかは分からないんですが、携帯電話がそれを助けてくれます。サーキットでも、携帯電話は日々のルーティーンに欠かせないものです。常に連絡が取れると思ってもらいたいので、電源は決して切らないようにしていますね。それから家にいる家族が昼夜を問わず連絡できるようにしたいんです。