新型コロナウイルスの影響で実際のレースができない期間を利用して、F1が公式ゲームを使った「F1バーチャルGP」を開催中。カタルニア・サーキットを舞台にして行なわれた第5戦は、ジョージ・ラッセル(ウィリアムズ)が初優勝を飾った。

 前回好バトルをみせたアレックス・アルボン(レッドブル)とシャルル・ルクレール(フェラーリ)に注目が集まったが、ポールポジションを獲得したのはラッセルだった。

 セッション前半に1分16秒台を早くも記録したラッセルは、最後のアタックでさらにタイムを更新し、ライバルを一蹴した。2番手にはエステバン・グティエレス(メルセデス)がつけ、ルクレールは3番手、アルボンは5番手からのスタートとなった。

 33周で争われた決勝レース。ラッセルは無難にスタートダッシュを決めたものの、ターン1でデビッドソンの先行を許すと、位置どりが悪かったのかターン5までに次々と後続にパスされ5番手まで後退してしまった。

 オープニングラップはグティエレスが制したが2周目のターン1でルクレール、翌3周目のメインストレートではアルボンの先行を許し一気に3番手に後退した。

 レース序盤からルクレールとアルボンがトップ2を独占し前回のようなバトルが始まるかと思われたが、今回の彼らは戦略が分かれることになった。

 2番手のアルボンは4周目を終えるところで早くもピットイン。ミディアムタイヤに履き替えて第2スティントに向かった。どうやら2ストップ作戦を選んだ模様だ。

 トップのルクレールが順調に周回を重ねている中、その勢いを上回るペースを追い上げていたのがラッセルだ。6周目のメインストレートでグティエレスをオーバーテイクし2番手に浮上すると、徐々にルクレールとの差を詰めていった。

 7周目を終えたところでルクレールとラッセルが同時にピットインし、ともにハードタイヤを装着。その間にアルボンが逆転し、15周を終えたところで全車がピットストップを終えたことでトップに浮上した。

 当初はレース終盤まで2度目のピットストップを引っ張って、可能な限りのギャップを作りたいアルボンだったが、思いの外タイヤの消耗が早かったようで18周目に突然ペースダウン。そのまま2回目のタイヤ交換を行なったのだが、ここでハードタイヤを選択。6番手でコースに復帰した。

 これにより今回の優勝争いはルクレールとラッセルの一騎打ちとなった。当初は2秒近くあった両者のギャップだが、ラッセルが毎ラップごとに少しずつ差を縮め、22周目を迎えた時には0.2秒後方まで迫っていた。

 ところが、その直後にラッセルに対してレースタイム3秒を加算するペナルティが言い渡された。トラックリミット違反が複数回あったことが理由だ。これでラッセルはルクレールを抜いて、さらに3秒以上のリードを保った状態でチェッカーを受けなければならなくなった。ここからルクレールとラッセルによる優勝をかけたバトルが本格的に始まった。

 まずはラッセルがDRSを駆使して25周目のターン1手前でルクレールをオーバーテイク。今回はラッセルの方がストレートの伸びが良く、ルクレールもDRSを使って反撃に出るが、なかなか前に出ることはできない。それでも27周目のターン2で意地をみせトップを奪うが、翌周のメインストレートでラッセルが再逆転した。

 残り5周になると、ふたりのバトルはさらにヒートアップ。コース終盤のターン15を大胆にインカットする走りで、少しでもストレートスピードを稼ごうとしていた。

 優勝するためにはルクレールを3秒以上引き離さなければならないラッセルだったが、残り2周を切ったところで1.8秒までギャップを広げることに成功。もう一息というところまで来た時に、思いもよらない事態が発生した。

 ちょうど最終ラップに入ろうかというタイミングでルクレールにもトラックリミット違反により3秒加算のペナルティが出されたのだ。これでラッセルが事実上のトップとなり、最終ラップもきっちりとまとめ上げてバーチャルGP初優勝を飾った。

 2位はルクレールとなったが、最後の最後でのペナルティ通達に悔しさを滲ませていた。3位にはグティエレスが入り、2ストップ作戦を敢行したアルボンはトップ集団に追いつけず4位に終わった。

 実は、カタルニア・サーキットはウイリアムズにとってはチームが最後に勝利(2012年のパストール・マルドナド)した思い出深いコース。今回はバーチャルという形だが、当時を彷彿とさせるかのようにフェラーリのマシンを従えてウィリアムズのマシンがトップでフィニッシュした。