F1の2020年シーズンは新型コロナウイルスの流行を受けて開幕が遅れており、10レースの延期・中止が決定しているが、7月にオーストリアで無観客レースを実施することを目指し、調整が続いている。

 つまりオーストリアでのレースは、昨年の最終戦アブダビGP以来7ヵ月ぶりのレースということになり、2月のプレシーズンテストからも4ヵ月以上間隔があくこととなる。

 この長いブランクが与える影響について、一部のドライバーはリズムを取り戻すのは難しいことではないと考えているが、一方でウイリアムズのジョージ・ラッセルは、能力が錆び付いてしまうことは避けられないと感じている。

 しかしラッセルはそれをチャンスと捉えている。ライバルが序盤に犯したミスにつけこめば、無得点に終わった昨シーズンよりも良い成績が残せると考えているのだ。

「シーズンが始まると、ドライバーだけでなくメカニックやエンジニア達も少しづつリズムを取り戻していく」とラッセルは語った。

「F1にいる全ての人たちは最高レベルの人間だ。ただこれだけ時間が経っていると、全体的にみんな錆び付いてしまっていると思う」

「ドライバー、エンジニア、メカニック……誰もがミスを犯すだろう。僕たちはこれをうまく利用することが非常に重要だろう」

「レースに勝ったりポイントをとったりできていない人にとっては、ミスが生じる可能性があるシーズンの序盤に大きなチャンスがあると思っている」

 ラッセルはスポーツ選手がこれほどまでに長い期間競技をしないのは“不自然”なことだと感じているが、自らの感覚を失わないために、イギリスで家族と共に同居しているトレーナーなどと定期的にトレーニングを積んできたとのことだ。

 ラッセルのチームメイトであるニコラス・ラティフィも、パドック全体が日常を取り戻すのは簡単ではないと考えているが、彼自身はF1デビューに向けて懸命な準備を続けていると主張した。

「ドライバー、メカニック、チームなど、あらゆる面で錆が見られるだろう」

 ラティフィはそう語った。

「オペレーションという観点で、それらが完璧に遂行されなければいけないというのは、ファンから見落とされがちだ。長い間それから離れていると、リズムを取り戻すのは少し難しい」

「冬のテストは特にドライバーにとって、多くの問題を解決する機会のひとつだ。ただそのテストからしばらく経っているので、リズムを取り戻さないといけない」

「今は非常に長いプレシーズンを過ごしているといった状況だ。これを休暇にしてしまうつもりはない。シーズン前のトレーニングキャンプが長引いていると考えるようにしている」

「いつレースができるか分からないというのは奇妙なことだ。僕たちはまだトレーニングを続けていて、数週間後にもレースができるように準備をしている。それは明らかに未知の要素が多いけど、キレを失わないようにしないといけないんだ」