話題の求人「徳島県職員(脊椎動物)」、無脊椎動物の勤務実態があるのか聞いてみたら...

企業や団体が採用を行うに当たっては、必要な人材に応じてさまざまな条件がつくものだ。特定の技能や業務経験、語学力、マネジメント経験など、が一般的だと思われるが、「脊椎動物」と記載されていたとしたら、どうだろうか。

「人間である以上脊椎動物でしょ」と思われるかもしれないが、徳島県立博物館が2018年5月から行っている職員募集を見てみると、「平成30年度 徳島県職員(脊椎動物)の募集について」。概要にも

「徳島県の関係機関で業務に従事する職員(脊椎動物)を募集することになりました」

と記載されているのだ。まさか、無脊椎動物の募集も行っていたり、無脊椎動物の職員が在籍しているのか......。

県立博物館ならではの事情が

一応説明をしておくと、脊椎動物とは動物の分類上、脊椎を持つ魚類、鳥類、両生類、爬虫類、哺乳類を指す言葉で、脊椎動物以外は無脊椎動物に分類される。前述の5種類以外は、おおよそ無脊椎動物になると考えていい。

人間は脊椎動物であり、職員も基本的には人間のはずだ(稀に例外もある)。しかし、徳島県立博物館はわざわざ「職員(脊椎動物)」と記載している。ひょっとして、過去にタコやカニなんかが、「職員募集と聞いてうかがったのですが」などと応募してきてしまったのだろうか。

タコやカニならともかく、昆虫からの応募だとかなり悩ましいかもしれない(画像は徳島県立博物館の公式サイトより)

本当はなんとなくわかっているのだが、確認せずにはいられない。7月6日、Jタウンネットは思い切って徳島県立博物館に取材を行った。なぜ脊椎動物と明記したのか――。

「脊椎動物を専門分野とする、いわゆる学芸員を募集しているという意味です」

突拍子もない取材に対し、苦笑しながらも博物館の担当者は答えてくれた。当たり前だ。「過去にはタカアシガニが在籍しておりました」などと言われたりしたら、どうすればいいのかわからない。

募集要項を読めば、専門分野を指していることがわかる(画像は徳島県立博物館の公式サイトより)

しかし、なぜこうした表示になっているのだろうか。例えば、「県職員(脊椎動物分野の学芸員)」などと記載すれば、もう少しわかりやすい気もするのだが。

「県立博物館ですので、大きなくくりとしては県職員です。その中で学芸員として勤務するという形になりますが、学芸員以外の職務に異動する可能性もゼロではありません。とはいえ、募集するのは一般職とは異なる役割ですので、職員と記載しつつ、必要としている専門分野を併記する形としています」

過去には「職員(歴史)」「職員(考古保存学)」といった表示で募集も行っており、今回はたまたま生物分野の募集だったため、「職員(脊椎動物)」となったわけだ。「正直なところ我々も少しわかりにくいかな、とは思っているのですが」とのことだが、応募する側に意図は伝わっているようで、これまで特に問題が生じたことはないようだ。

もう少し細かく区切って「鳥類分野」や「哺乳類分野」とするとわかりやすくなりそうだが、そこは同博物館の事情もある。

「地方の博物館ですので、たくさんの学芸員を採用できる規模ではありません。今回も1人しかいない脊椎動物分野の学芸員が退職し、その補充のための採用となります。鳥類でも哺乳類でも、脊椎動物を専門とされる方を募集し、採用された場合は幅広く脊椎動物全般を担当していただくことになります」

記者の思いつきから始まった取材だったが、最後は地方の博物館が置かれている状況に、わずかではあるが触れることになった。

休日の外出先といえば博物館、となることはあまりないかもしれないが、自然科学や歴史について身近にかつ体系的に触れられるのは博物館くらいではないだろうか。夏休みなどのお出かけ先に、地元の博物館をぜひ加えていただきたい。


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