やってしまうと恥ずかしい漢字の「読み間違い」。

先日、Jタウンネットの「秋葉原を『あきばはら』と言い続ける友人 間違いを指摘するべき?それとも...」との記事で、東京・秋葉原(あきはばら)のことを「あきばはら」と読んでいた知人がいたという読者からの体験談を紹介したところ、読者から、

「『あきばはら』は間違いではないです」

とのメールが複数寄せられた。なんでも、いまは一般的に「あきはばら」とされているが、昔は「あきばはら」と読んでいたこともあったそうだ。

「生まれも育ちも秋葉原の高齢の父も『昔はあきばはらって言ってた』と以前から言ってました」

と、投稿を寄せたEさん(都道府県・年齢性別不明)。ほかにも、「もともとあきばはらが正式名称であきはばらは秋葉原駅ができてからの読み方です」といった指摘もあった。

真相はいったいどうなのだろうか。

Jタウンネットは、秋葉原の名前の起源になったとされる秋葉神社(東京都台東区)の宮司に詳しい話を聞いた。

画像はイメージ

「どちらとも言えないんです...」

「あきばはら」は本当に間違いではないのだろうか。Jタウンネット編集部が2020年1月14日、宮司の沼部文彰(ぬまべ・ふみあき)さんに話を聞くと、

「どちらとも言えないんです...間違っているとも言えないし、正しいとも言えない...」

との返答が。実のところ、明確なことは現在では藪の中だそうだ。

秋葉神社の歴史を紐解くと、明治初年、大火災の頻発により、明治天皇の命で東京市民の火災鎮護の祈願所として建立されたという。そして、秋葉神社にあわせて、付近が「秋葉原」と呼ばれるようになったのだという。

沼部さんによれば、当時の人からは「秋葉(あきば)様」などの呼称で親しまれていたという秋葉神社。こうした影響を受けて秋葉原も「あきばはら」「あきばっはら」といった呼び方が広まっていったという。

しかし、当時の資料を紐解くと「あきはのはら」と読んでいたという記録もあるそう。こうした事象について、

「どちらでも表記は同じなので、様々な読み方があったのではないか」

と、沼部さんは分析する。

現在の「あきはばら」との呼称が一般的になったきっかけは、明治期に鉄道駅として「秋葉原駅」が開設されたことに端を発するという。当初は貨物専用駅だったが、旅客営業を開始した大正期には既に「あきはばら」との呼称で統一されていたそうだ。

それにしても、なぜ「あきば」ではなく、「あきは」で統一されたのだろうか。

「指針として、静岡の秋葉神社(あきはじんじゃ)を参考にしたのではないかと思います」

と、沼部さん。秋葉神社(静岡県浜松市)は、日本全国に存在する秋葉神社の総本社格として知られ、読み方は「あきば」ではなくて、「あきは」と読む。沼部さんは、この秋葉神社にあやかって「あきはばら」との読みになったのではないかと推測する。

――様々な歴史的変遷を経てきた秋葉原。「あきはばら」との読み方が一般的になっていく一方、時を経たいまでも「あきばはら」は、先に紹介したEさんのお父さんのように地元の人を中心として語り継がれているようだ。

もし「あきばはら」と読んでいる人に出会ったら、ぜひ思い出してほしい。