高田馬場駅(東京都新宿区)に現れた道路の案内標識。いくつもの標識がぶら下がっていて、およそ駅構内の光景には思えない。

どういうこと?(画像は大隅@momoiroclovtryzさん提供)

ある標識は出発地点に「ここではない」、行き先に「どこか」と書かれている。アバウトすぎるというか何というか...いったい何を表しているのだろうか。

広告は複数のユーザーがアップしており、ツイッターで注目を集めている。標識をよく見ると、隅には小さく「レインボーモータースクール」。埼玉県和光市にある自動車教習所の広告のようだ。

ツイッターではこの広告に対し、

「運転免許試験場の広告だったんですね...何と言うセンス!」「電車や歩きよりも車のほうが『恋』や『香り』や『景色』や『ちょっと寄り道』なんて事も出来る事を表している」「余計路頭に迷うじゃないか」

といった声が寄せられている。

標識は11パターン

Jタウンネットは2020年2月12日、レインボーモータースクールを取材した。

広告制作に携わったという営業部の担当者は、このようなデザインにした理由を次のように話している。

「自動車教習所ってお堅いイメージがあるじゃないですか。免許を取ることを目的とした広告が多く、面白みがないというか。若者の車離れもひどいです。就職で仕方なく免許を取るという人が増え、少子化も影響して教習所がどんどん閉鎖していく中、生き残るにはということで...」

若者がSNSで拡散したくなるような面白い広告を考えた結果、完成したのがこちらの広告というわけだ。

標識は11パターンほど。担当者によれば、自動車教習所に関係している標識を使い、「免許を持っていると、もっと世の中が広がる」ということを伝えたかったのだという。

まるで恋人同士の会話(画像は大隅@momoiroclovtryzさん提供)

なかには矢印に沿って「もう帰るね」「送ろうか?」と恋人同士のようなやり取りが書かれた看板も。車に乗っていれば、大好きなあの人との帰り道をより楽しめることを示唆している。

パッと見ただけでは何を言いたいのかわからない部分もあるが、それも計算の内。

「わかりきった広告じゃなくて、『なんだこれは』『あ、教習所の広告か』という風に思ってもらいたくて。わかんなくてもいいかなって思ったんです」(営業部担当者)

としている。

担当者によれば、高田馬場はスクールバスが停まり、学生の街であることから、以前より広告を掲示していたという。案内標識風の広告は19年12月の中頃に登場し、今年の5月まで半年ほど掲示される予定だ。

「今までもいろいろやってきましたが、これが初めて当たったかなって。SNSで拡散してほしいなって思いながら面白い広告をうってきたので。これをきっかけにお客さんが増えるといいな、と思います」

この広告で初めて手ごたえを感じたという担当者。中には「電車に喧嘩を売っているのか」という声もあるというが、それも含めていい意味に捉えているとのことだ。