JR三ノ宮駅(神戸市)から歩いてすぐの場所に、「森」があるのをご存知だろうか。

三宮といえば、神戸の中心地であり繁華街。あまり自然のイメージはないが...。いったいどういうことなのだろうか。

その様子がこちらである。

ボリュームがすごい(画像はよしだRIVIERE@ppyoshipさん提供)

確かに、森である。建物が立ち並ぶ中、急にうっそうと生い茂った木が現れている。よく見ると中に小道が続いており、まるで異世界への入り口だ。

この様子はツイッターユーザーのよしだRIVIERE(@ppyoship)さんが23日に紹介稿、29日夕時点で1万5000件以上のいいねがつくなど話題になっている。

見た目からは想像できないが、どうやら中にはお洒落なカフェがあるらしい。

「奄美大島をイメージ」

話題となったのは神戸のカフェ「GREEN HOUSE Silva(グリーンハウス シルバ)」。Jタウンネットは6月29日、シルバの運営会社・グリーンハウス(神戸市)の佐伯祐季代表(52)に話を聞いた。

佐伯さんは木々が生い茂った外観について、その理由を次のように話す。

「うちは元々建築屋で、20年ほど前から造園業や店舗デザイン、設計・施工をやっていました。緑と共生することをコンセプトに続けていたので、当然自分の店も緑をいっぱい使うことになりました」

「グリーンハウス シルバ」は07年4月にオープン。店舗デザインとコンセプト設定は佐伯代表自身が行った。

木を植えた場所は、もともと7畳ほどの駐車場だった。佐伯さんが好きな奄美大島をイメージし、ケヤキなど約30本を植えた。木々の高さは約7メートルもあるという。

森を抜けると3階建てのカフェが表れる。2、3階部分は一面の壁をなくし、森を眺めながら食事ができる。1階はサンルームに続いており、天井もガラス張り。まさに森の中にいるような感覚を味わえる。

2階席(画像はグリーンハウス公式サイトより)
サンルーム(画像はグリーンハウス公式サイトより)

「奥が見えないからわくわくしますよね。オープンしたての頃は、お客さんに森の下から覗かれることもありました」

佐伯さんはオープン当時の様子を、こう振り返る。飲食店として美味しい食事を出すだけでなく、外と中とのギャップ、非日常な空間など、建築屋ならではの仕掛けでお客さんを喜ばせたいと考えていたようだ。

なぜ建築→飲食店経営に?

元々は建築や造園が本業だったグリーンハウス。建築の仕事は10年ほど前にやめ、現在は飲食店の経営に専念している。

三ノ宮駅の近くにすごい勢いで木が生えてると思ったらおしゃれなカフェでした。緑いっぱいで癒されました? pic.twitter.com/yk4fg9qVOj
- よしだ RIVIERE (@ppyoship) June 23, 2020

なぜ店を作る側から、経営する側になったのか。

佐伯さんによれば、17年ほど前、建築、家具、雑貨、カーテン、計4つのショールームを大きな倉庫内にまとめて作り、家具のブースをショールーム兼飲食店としていたのが始まりだった。4つのブースの中で、一番賑わっていたのが飲食店だったという。

その後は飲食店「グリーンハウス アクア」(現在は経営終了)、「シルバ」「ヴァルト」と3つの店舗を展開。シルバでは今でも値札のついた家具が置かれていて、ショールーム時代の名残が感じられる。

佐伯さんはシルバがツイッターで話題になったことについて、

「13年経っても話題にしてもらえるのは設計冥利(みょうり)に尽きますね。食べ物は美味しくて当たり前ですが、空間を楽しんでもらえるというのは建築屋としての願いなので。こんなところに森かい!みたいに思ってもらえればシメシメという思いです」

としている。