Facebookが「いいね!」の件数表示の廃止を検討中…「評価の数で良さを判断しない」時代に?

Facebookが「いいね!」の件数表示の廃止を検討中…「評価の数で良さを判断しない」時代に?

Facebookが「いいね!」の件数表示の廃止を検討中だという。どんなメリット・デメリットがあるのか、ITジャーナリストの三上 洋さんをゲストに迎え、詳しく話を訊いた。

【9月11日(水)『STEP ONE』の「BEHIND THE SCENE」(ナビゲーター:サッシャ、増井なぎさ)】(2019年9月18日10時54分まで)


■SNS全般で「いいね!」を表示しない流れへ

Facebookは9月3日、利用者の投稿への支持を示す「いいね!」の件数表示をやめることを検討していると明らかにした。TwitterやInstagramでも試験的に同様の運用を始めているという。なぜこのような流れになっているのだろうか。

三上:Facebookの前に、Instagramがこの動きを始めていました。Instagramは昨年来、そういうテストが行われているという噂があって、日本でも7月から一部のユーザーは「いいね!」の数が出ていません。実はInstagramって毎回新しい機能を入れるときに一部のユーザーに黙ってテストをする。そして、その結果を見て導入する。それからTwitterも「いいね!」やリツイートなど数の評価のものを入れたのは失敗だったと開発者が言っています。それが失敗の元だったかもしれないということで、Twitter、Facebook、Instagramとも「いいね!」やリツイートの数字はもしかしたら今後は出さない方向になるのかなあ、と。ただ、まったく見えないと困るので、投稿した人は見える。
サッシャ:自分は見えるけど、他人には見えないと。
三上:他人が評価をするときに「いいね!」の数で見えないようにするということですね。たとえばInstagramを見るときって、私たちは無意識に写真をじっくり見る前に、すぐに「いいね!」の数を見ているんです。そこで実はすごい数だとじっくり写真を見直すとか。
サッシャ:たしかに。みんなが気に入っているっぽいなあっていう判断しちゃいます。
三上:でも、それが「いいね!」の数字が5だとすっと流すみたいなところがあるので、そこが評価基準になっているのはよろしくないと運営側も考えているんです。
サッシャ:なるほど。ちゃんとした中身、実質を見ようと。


■「いいね!」を表示しないメリットとデメリット

「いいね!」を表示しないことによるいい影響として、三上さんは「競争が減る」ということを挙げた。

三上:たとえば、タピオカの画像をあげたら、(「いいね!」が)すごいから私もあげようだとか、そういう妙な意識が減る。それから「インスタ映え」という言葉もけっして悪くないんですけど、「映え」というのが「いいね!」の数を取るための目的になってしまっている。「いいね!」の数を取るために、わざわざ高いアクセサリーを借りてきて撮影するとか、旅行に行くときもインスタ映えしたい、「いいね!」を稼ぐために無駄なことをやってしまうとか。それはよろしくないということは、運営側も考えている。

「いいね!」がなくなることで、「自己顕示欲を満たすために投稿している人には厳しいかもしれない」と三上さん。また、ビジネスとして使用するユーザーに影響が出てくることも考えられる。

サッシャ:ビジネスとして考えたらトラフィックが減るということは、広告収入が減ることになるから、首を絞めてないですか?
三上:首を絞めているとは思うんですけど、これは数がビジネスになってしまっているんです。広告代理店の資料などを見ると、有名なインターネットのインフルエンサーさんをゲストに呼びますとなると、フォロワー数と「いいね!」の数が出てくる。そのスコアリングに踊らされてしまっているところはあると思います。
増井:そろそろ見直しが必要なときでしたよね。
三上:そうだと思います。ただ、私も投稿するときに、このネタはウケるかなとか、記事にするかしないかをTwitterの反応で見ることはあるので、なかなか......。グーグル検索だけでもいいんですけど、最近はSNS検索1本なんです。Twitter、Instagram、Facebookの検索でやっていると、やはり検索結果のリツイート数と「いいね!」数は見ます。
サッシャ:それでわりと話題になっているものを掘り下げていく。
三上:ニュースバリューや告発などの問題点を見るときに重要な点なので、今後ニュースの選択には困るかもしれません。


■今後SNSはもっと身近でプライベートなものになる?

それでも、社会的な側面を考えても、やはり「いいね!」の件数表示をやめる意義はあると言えるようだ。

三上:たとえば、炎上やフェイクニュース、デマ、SNSはそうしたもののベースになってしまっています。最近の話だと、ぜんぜん違う人を犯人だと名指しするデマが流れてトラブルになることがずっと続いている。
サッシャ:「いいね!」やリツイート数が多いものだから、それで乗っかっちゃう人、信じちゃう人がいっぱいいた。数が信用になってしまっているという話。
三上:そういうことです。

また、もっと以前には、Facebookにおけるフェイクニュースの問題もあった。Facebookには「いいね!」の数が多いものを優先して表示するという仕組みがあった。

三上:そうすると、トランプ大統領が当選した大統領選挙、イギリスEU離脱のときなどというのは、フェイクニュースのほうを支持する人たちがガンガン「いいね!」をつけるため、Facebookでの表示数が増える、イコールどんどん拡散されるという構造になってしまって、「いいね!」の数で露出の数が増える結果になってしまっているのが大問題だった。
増井:そうするとどんどんそちらの方向に意見が流されていきますものね。

SNS自体、どうしても極端な意見に寄りがちな面がある。そうした問題点に気付き始めてきたのではないかと三上さんは分析。今後についてこう話した。

三上:今後「いいね!」やリツイート、フォロワー数で競い合わない仕組みになっていくのかもしれない。その印象的なもののひとつがInstagramのストーリーズです。ストーリーズは流行っていて、ライブ動画のように今起きたことの動画を流す。あれは「いいね!」の表示はないんです。「いいね!」した人はDMで来るだけで、見た人からは評価がわからないんです。Instagramのストーリーズやライブがうまくいって、「『いいね!』の指標を外に出さなくてもいいのかな」と見えてきた。そうなると、もっとSNS自体が幅広く多くの人に見てもらうよりも、もっとプライベートな方向に、自分の身近な人たちとのコミュニケーションに収まるようになるのかもしれないと思っています。

今後のSNS文化の流れを変えることになりそうな、Facebookの「いいね!」の件数表示廃止のニュース。これを機に、みなさんも日ごろのSNSの使い方を見直してみるのもよいかもしれない。

『STEP ONE』のワンコーナー「BEHIND THE SCENE」では、気になるニュースの裏側から光を当てる。放送は月曜〜木曜の10時10分頃から。お聴き逃しなく!

radikoタイムフリー:http://radiko.jp/share/?sid=FMJ&t=20190911100946 PC・スマホアプリ「radiko.jpプレミアム」(有料)なら、日本全国どこにいてもJ-WAVEが楽しめます。番組放送後1週間は「radiko.jpタイムフリー」機能で聴き直せます。

【番組情報】
番組名:『STEP ONE』
放送日時:月・火・水・木曜 9時−13時
オフィシャルサイト:https://www.j-wave.co.jp/original/stepone/


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