東北電力グループのユアテックは、樹木の伐採や倒木の撤去を通じて電気の安定供給に貢献している。配電工事の一環として東北6県と新潟県で年間3万件程度を実施。平時は電柱や電線の近くにある木を切って停電のリスクを低減。自然災害時には作業の妨げとなる木を取り除き、迅速な配電線復旧につなげている。

◎台風19号でも奔走 平時の備え生きる

 同社は東北電や協力会社と連携して2018年度、7県で計約3万3600件を請け負った。東北では岩手の約6700件が最も多く、福島約5200件、秋田約3800件と続く。
 19年10月の台風19号では、岩手、宮城、福島3県の被災地で奔走。土砂崩れが発生した宮城県丸森町筆甫では、延べ約1000人が土木、伐採、電工各班を編成し、土砂や倒木の撤去、木の切断、電柱の回収などに当たった。
 丸森町など宮城県南2市7町を管轄する白石営業所の佐藤秀雄所長は「山間部は配電線が張り巡らされ、日頃から強風で樹木が触れないよう伐採している。筆甫では各班が一体となって電気の早期復旧につなげた」と語る。
 冬場は雪の重みによる倒木で高圧線が断線したり、木の枝が電線に接触して停電したりするトラブルがある。近年では14〜18年にかけ、大雪や暴風雪に遭った日本海側などに延べ約8700人を派遣した。
 技術の習得や安全確保にも力を注ぐ。森林組合などから専門家を招いて研修会を実施。チェーンソーの点検方法や伐倒手法、安全面などの指導を受ける。協力会社が参加する技能競技会もあり、丸太を決められた厚さに切ったり、枝を切り払ったりして腕を磨く。
 ユアテック宮城支社の金田洋悦副支社長兼配電部長は「普段できないことは非常時にもできない。日々、技術の維持、向上に取り組む姿勢が大事。特に冬季は気象条件が厳しく、県境を越えて雪害の現場に応援隊を派遣するなど迅速に対応したい」と話す。