東北6県を旅する訪日外国人旅行者のレンタカー利用が増えている。2019年は前年比50.1%増の1万6128台。特に国際定期路線の就航・増便が相次いだ仙台空港を擁する宮城県が前年比76.1%増と大きく伸び、レンタカー会社も受け入れ態勢強化に力を入れる。
(報道部・丸山磨美)

 東北観光推進機構がまとめたレンタカー主要7社の訪日客向け貸し出し実績はグラフの通り。機構によると、青森県で借りて宮城県内で返すのが「王道」だが、19年は宮城が7割超の伸びで5610台となり、これまでリードしてきた青森の5623台にほぼ並んだ。
 利用の中心は台湾人だ。仙台−台湾・台北線が、格安航空会社(LCC)も含め4社で週計19便まで運航本数が増えたことを反映した。さらに昨年10月末の仙台−タイ・バンコク線の再就航でタイ人も急増し、11、12月は宮城で前年の2倍前後の貸し出しがあった。
 トヨタレンタリース宮城(仙台市)では、16年に訪日客への貸し出し台数が東日本大震災前(10年)の水準を超えた。台北線の運航本数増加に伴って右肩上がりで伸び、バンコク線就航後はタイ人の利用が台湾人を上回った。「就航効果がここまで出るとは思わなかった」と遠藤淳レンタル部副次長は驚く。
 訪日客は利用者全体の1%程度だが、仙台空港店(岩沼市)では訪日客は大型の車を5〜6日といった長期で借りる傾向があり、客単価が高い。
 同店と仙台駅近くの2店は音声翻訳機の配備、スタッフの英会話研修などを進めてきたが「リピーター獲得に向け、現地の言葉であいさつするといったおもてなしの研修も検討している」(遠藤副次長)と言う。
 ニッポンレンタカー東北(仙台市)は、外国人向けのインターネット予約サイトで荷物を多く積める車種や人気が高いRV車をアピールし、訪日客の取り込みに努める。
 一方、標識の意味が分からず事故につながる例もある。担当者は「事故防止のためより細かいニュアンスを伝えられるよう、英語に堪能なスタッフを採用していきたい」と語る。
 タイムズカー仙台空港店(岩沼市)は台湾人の利用増を受け、18年に中国語を話すスタッフ1人を配置した。「訪日客と会話できるスタッフの存在は大きいが、確保は容易ではない」と運営するタイムズモビリティ(東京)の広報担当者。翻訳機の配置も進める。
 東北観光推進機構は18年度、訪日客が運転していることを示すステッカーや多言語のドライブマップを作製し、レンタカー会社に配布した。追加を求める声もあり、担当者は「受け入れ態勢の改善につながる施策を事業者と検討したい」と話す。