「鳥の目」で被災地一望 ドローン駆使し震災伝承

「鳥の目」で被災地一望 ドローン駆使し震災伝承

 東日本大震災で被災した宮城県石巻市の公益社団法人みらいサポートが、小型無人機「ドローン」を駆使して震災伝承に取り組んでいる。視線の高さと異なる位置から臨場感のある映像が撮影できるのが利点。空撮画像を組み合わせれば立体的なデータを作成でき、震災遺構などを3Dにして残す活動も始めた。専務理事の中川政治さん(41)は「さまざまな手法で被災地の姿を伝えたい」と語る。

 中川さんが操るドローンは最大飛行時間18分、操作可能範囲は約2キロ。高性能カメラが搭載され、動画や静止画を撮影できる。
 主な撮影場所は津波で甚大な被害を受けた同市の南浜、門脇両地区。みらいサポートが運営する伝承施設「南浜つなぐ館」が立地し、隣に「がんばろう!石巻」の看板がある。命日には追悼行事が行われ、キャンドルの光で「3.11追悼」と浮かぶ光景などを撮影している。
 ドローン撮影を始めたのは2015年3月。通常のカメラだけで被災地の様子を伝えるのは限界があると感じ、当時、全国的に話題になっていたドローンの活用を思い付いた。
 今年4月からは空撮した数百〜数万枚の写真をパソコンで合成し、立体化するソフトを導入。震災遺構として一部保存される旧門脇小校舎を撮影し、3Dのデータを作成した。市は校舎の中央部を残して両端を解体する方針で、いずれは現在の全体像は見られなくなるため、3Dデータは貴重な資料になる。
 中川さんは他にも復興事業に伴い移転予定の同市雄勝町の雄勝ローズファクトリーガーデンや、復興祈念公園の整備工事が始まった南浜地区なども撮影。一部はホームページで公開している。
 中川さんは「ドローンは震災を伝える上で強力なツール。今後もいろいろな技術を組み合わせて震災伝承や防災教育に役立てたい」と話した。

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