<和牛の頂点へ>団体戦 重責担う3代目

<和牛の頂点へ>団体戦 重責担う3代目

 全国の銘柄牛が一堂に集い、仙台市宮城野区の夢メッセみやぎ、市中央卸売市場食肉市場で9月7〜11日に開催される第11回全国和牛能力共進会(全共)宮城大会が約1カ月後に迫った。最終選考を勝ち抜いた各出品区の県代表は悲願の「日本一」獲得を目指し、最終調整に余念がない。地元開催に懸ける農家やグループの思いを紹介する。

◎全共宮城大会へ向けて(1)服部泰啓さん(登米)

<真面目なホープ>
 登米市豊里町の繁殖農家服部泰啓(やすひろ)さん(29)の仕事は毎朝、午前5時に始まる。まずは飼育する30頭の牛にわらを食べさせる。
 どう多く食べさせるかが肝心だ。たくさん食べて育った牛は胸の張りが大きくなり、高く評価される。これが服部さんが育てる牛の特長で「牛が食べやすいようにわらを細かく切っている」と説明する。
 午前6時から草地で牛に運動させた後、トウモロコシや大豆入りの飼料を与え、はけを使い毛並みを整える。午後も畜舎の掃除や牛の運動があり、年中無休で世話をする。4歳の長女、1歳の長男と遊ぶ時間はあまり取れないのが悩みだ。
 みやぎ登米農協畜産課の佐藤祐介さん(30)は「田んぼから稲わらロールを作り裁断するなど、作業を面倒がらずにこなす。とにかく真面目。登米市の牛農家のホープだ」と信頼する。
 服部さんは牛の繁殖農家の3代目。小学生の頃から牛の世話を手伝ってきた。「漠然と将来は牛農家になると思っていて、他の職業に就こうとは考えたことがない」と話す。
 小牛田農林高、県農業大学校で畜産を学び、登米市内の牛の繁殖農家で1年間研修した後、実家で父清浩さんを手伝った。「市場に出して高い値で買い取られた時に、自分の仕事が評価されたようでうれしい」と魅力を語る。

<亡き父へ吉報を>
 今大会に出す雌牛「しげひら」は2011年3月1日生まれ。前回(12年)の長崎大会で総合評価群(月齢17カ月以上24カ月未満)に出して6席入賞。今回は、直系3代の団体戦で競う高等登録群(母牛、娘牛、孫娘牛)の真ん中の娘牛として送り出す。
 「下の代に行くほどいかに良くなっているかが問われる。やはり真ん中は責任が重いと思う」と気を引き締める。
 25年前の全共で、父の清浩さんは総合評価群で上位入賞を逃した。服部さんは「長崎大会に出る際に父からアドバイスをもらい県大会を突破できた」と感謝する。その長崎大会直前に清浩さんは病気のため52歳で他界した。服部さんは「今大会で全国トップに立って天国の父に報告したい」と意気込む。
(登米支局・本多秀行)


◎牛政宗の豆知識 /「和牛の五輪」とも

[全国和牛能力共進会(全共)] 5年に1度、全国の優れた和牛を集め、改良の成果や肉質などを競う。「和牛のオリンピック」とも呼ばれる。東北での開催は福島(1982年)、岩手(97年)に続き3回目。39道府県から計513頭が参加予定。主催は全国和牛登録協会。

スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

関連記事

おすすめ情報

河北新報の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

経済のニュースランキング

ランキングの続きを見る

経済の新着ニュース

新着ニュース一覧へ

人気記事ランキング

ランキングの続きを見る

東京の新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索