重粒子線がん治療20年3月運用へ 山形大医学部、装置の陸送始まる

重粒子線がん治療20年3月運用へ 山形大医学部、装置の陸送始まる

 山形大医学部(山形市)が2020年3月の治療開始を目指して整備を進める重粒子線がん治療施設の中核を担う次世代型治療装置の大型部品の陸送が始まり、10日深夜、部品を運ぶ大型トレーラーが仙台市中心部を通過した。医学部敷地内で進む施設建物の工事は、19年3月に完了予定。完成すれば国内では7カ所目、東北・北海道では初の施設となる。

 重粒子線がん治療は、炭素の原子核である重粒子(炭素イオン)を大型装置で加速して照射する治療法。がんの病巣にピンポイントで照射でき、X線など他の放射線治療に比べ治療期間が短くて済むなど、患者への負担が軽いとされる。
 山形大では20年3月、患者の体を照射角度に合わせて固定し、重粒子線を当てる「水平固定室」での治療を開始。同年9月には患者が横になった状態で、どの角度からでも正確に照射できる次世代型「回転ガントリー」での治療も始める。
 回転ガントリーの装置は東芝エネルギーシステムズ京浜事業所(横浜市)で製造され、五つの大型リング状部品が今月初旬に仙台港に陸揚げされていた。
 10日深夜は第1弾となる直径5.6メートル、重さ7.1トンの部品が全長25メートルの特殊トレーラーに載せられ、パトカーの先導を受けながら時速10〜30キロで仙台市内を通過した。部品は11月末まで、いずれも仙台港から数日かけて現地に運ばれ、順次組み立てられる。
 医学部付属病院の隣接地では施設建物の工事が順調に進んでおり、19年3月に完工の予定。設備の調整などを経て治療が始まる見通しで、同大医学部は年間600人の利用者を見込んでいる。


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