東北電力女川原発2号機(宮城県女川町、石巻市)の再稼働を巡り、重大事故を想定した広域避難計画に実効性がないとして、原発の半径30キロ圏内の石巻市民17人が、宮城県と同市に再稼働の事実上の前提となる地元同意の差し止めを求めた仮処分の第2回審尋が12日、仙台地裁であった。県・市側は、同意そのものが差し止めの対象にならないと反論した。
 県・市側は答弁書で、東北電との安全協定に基づく立地自治体の事前了解は「原子炉施設や関連施設の安全性確認のためのもの」と主張。一般に、地元同意は経済産業相の要請に基づく県知事の回答を指すとし、「(回答に)法的意味はない」との認識を示した。
 現状の計画下で避難した場合、放射線物質の被ばくの危険などを理由に人格権の侵害を訴える住民側の訴えについて、県・市側は「原発が重大事故を起こす具体的危険性を一切主張せず、前提となる要件事実を欠く」と指摘。「避難計画の策定を再稼働前に果たす法的義務はない」とする見解も示した。
 審尋は非公開。双方によると、裁判所の決定に影響しないとの理由で、県・市側は計画の実効性について認否を示さなかった。住民側は避難先の駐車場不足などを指摘し、計画の実効性の不備を改めて訴えた。
 審尋終了後、仙台市内で記者会見した住民側弁護団の甫守一樹弁護士(福岡県弁護士会)は「認否を避けた県と市は計画の不備を認めたようなもの。計画の策定義務がないという説明も看過しようがない責任放棄の主張だ」と話した。
 次回審尋は3月17日。住民側は申立書で、県のガイドラインを基に市が作成した避難計画に関し「渋滞で30キロ圏を脱出できない」などと実効性の乏しさを指摘。「危険かつ困難な避難を強いられ、生命・身体に具体的な危険が発生する」として人格権の侵害を主張している。