新型コロナウイルス感染拡大の影響で中止していた宮城県石巻市南浜町の震災伝承施設「南浜つなぐ館」の公開語り部会が27日、再開された。ビデオ会議アプリ「Zoom(ズーム)」を利用して模様を公開する取り組みも初めて行われた。
 オンラインによる7人と来館者3人の計10人が参加した。東日本大震災の津波で南浜町の自宅が流失した高橋政樹さん(65)が街の模型を使って当時の行動を説明。避難先の門脇小に海水が迫り、さらに高い裏山へ逃げた経験から「避難時は絶対に自宅に戻ってはいけない」と強調した。
 Zoomで参加した盛岡市の吉田真一さん(50)は「オンラインでも語り部の話の重みが伝わった。未来の命を守るために有効な手段と感じた」と語った。
 つなぐ館は2016年5月から毎月、公開語り部会を開いてきたが、今年2月を最後に中止していた。
 施設を運営する公益社団法人3.11みらいサポートのスタッフ藤間千尋さん(42)は「コロナ禍でも震災について伝えたいという思いでオンラインに挑戦した。今後も積極的に取り入れたい」と話した。