昨年10月の台風19号で被災した宮城県大郷町は26日、町全体の復興指針となる町復興再生ビジョンの最終案を町議会全員協議会(全協)に示した。2024年3月までの復興を目標とし、被災地再生や防災体制強化などを進め、安心して住み続けられるまちを目指す。
 最終案は、吉田川の決壊で住宅148棟が全半壊した台風災害への対応を検証した上で、復興目標を「人々とのつながりの中で安心して持続的に暮らせるまち」と明示。川と共生し、町民同士の協働と町外の人との連携でまちづくりに当たる−との姿勢を掲げた。
 被災地再生に向け、住宅再建時の宅地かさ上げに対する助成制度の導入を明記。今回大きな被害を受けた(1)中粕川(2)土手崎・三十丁(3)鶉崎袋−の吉田川流域3地区の各戸にタブレットを配って川の水位情報を共有、避難に生かすことを検討する方針を示した。
 被災者の住宅再建については、町内に新築する場合、国の支援金に最大150万円を上乗せ補助する町独自の支援策を改めて提示。自力再建が困難な場合は、町営高崎住宅団地を紹介するなどの方策を挙げた。
 被災経験を教訓にしようと、被害が起きた10月13日を町民防災の日と制定し、各自主防災組織の育成を強化。災害関連情報を多様な手段と多言語で伝えることも盛り込んだ。
 ビジョンが目標とする24年3月は、吉田川決壊箇所に国が建設する新堤防(長さ約330メートル)と、中粕川地区の復興まちづくりによる新宅地の完成目標時期。議員からは「被災者の高齢化が進んでいる」と早期実行を求める声が上がった。
 町は全協の議論を踏まえ、29日の町災害復興推進本部会議でビジョンを策定する。