国土交通省は26日、東日本大震災から10年となるのを前に、被災地で実施した市街地復興事業を検証する委員会を発足させた。防災集団移転促進、土地区画整理などの事業で得られた成果、教訓を盛り込んだ手引書を本年度中にも策定する。南海トラフ巨大地震をはじめとする大災害に備え、国や自治体の対策に活用する。
 委員会は大学教授や岩手、宮城、福島3県の自治体担当者ら計14人で構成する。日本大の岸井隆幸特任教授(都市計画)が座長に就いた。国交省は今後、委員会を来年2月までに計4回開き、ホームページで手引書を公表する予定。
 26日の初会合で、国交省の北村知久都市局長は冒頭、「事業は一定の評価を得ていると自負するが、さまざまな指摘もある。政府としてどういった点を評価、反省し、後世に残すかを考えたい」と述べた。
 非公開の議事で、国交省は住宅再建の早期実現や安全な街づくりといった市街地復興事業の成果を説明する一方、人口減少を巡る諸課題や災害を想定する「事前復興」、被災者が示す意向の的確な把握、空き区画の発生などを論点として示した。
 国交省によると、市街地復興事業は被災3県の410地区で実施され、97%に当たる399地区(3月末時点)の造成が済んだ。国の復興・創生期間が終わる本年度末までに全地区で造成が完了する見通し。