原発事故、荒波越えサーフィンシニア日本一に 富岡出身宍戸さん「諦めない姿示し続ける」

原発事故、荒波越えサーフィンシニア日本一に 富岡出身宍戸さん「諦めない姿示し続ける」

 東京電力福島第1原発事故で避難を余儀なくされた福島県富岡町出身の会社員宍戸健太さん(41)が、日本サーフィン連盟の大会で、2017年度のシニアクラス王者に輝いた。「さまざまな苦難を経験したからこそ強くなれた。諦めない姿を示し、被災地に勇気を与えたい」と誓う。
 自宅は第1原発から約9キロで、事故当時は0〜7歳の子ども3人と妻の5人で暮らしていた。直後は何が起きたのかも分からず、着の身着のままで妻の実家がある同県南会津町に避難した。「日本はこのまま終わってしまうのではないか」と本気で思った。
 東日本大震災と原発事故の影響で、仕事は3カ月間休職に。そんな時に心の支えになったのがサーフィンだった。高校卒業後に地元の海で始め、20代で全国大会に出場するようになっていた。「被災者や、サーフィンができない地元の仲間のためにも負けられない。自分は福島の名を背負っている」との思いで、避難中も県外の海で練習を重ねた。
 大会は毎年約35戦開催され、成績の良かった7戦の合計ポイントで競う。宍戸さんは昨年11月下旬に高知県東洋町で開かれた最終戦を制し、逆転優勝を決めた。
 富岡町では昨年4月に避難指示が一部解除となったが、町内にあった実家は取り壊しとなり「知らない町のようになってしまった」。子どもの生活を考え、町には戻らず、いわき市での再出発を決めた。
 モットーは「諦めなければ何とかなる」。今も避難を強いられている被災者らに元気を送り続けるつもりだ。

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