Jリーグは、新型コロナウイルスの感染拡大を受け今季J1、J2で下位チームの降格をなくす。仙台は、2010年からJ1に定着しているが、近年は下位が続く。降格がないシーズンは仙台にとって、どう影響するのか。仙台で指導、プレー経験のある専門家は「大胆で攻撃的な試合になる」と予測する。
 降格を実施しないのは2004年以来。今季はJ2の1、2位が昇格し、来季は20チームによるリーグ戦を行い下位4チームがJ2に降格する。仙台は12年は2位と躍進したが、13年からは毎年2桁順位が続き、昨季は最終節の1戦前にJ1残留を決めて11位だった。
 08〜10年に仙台のヘッドコーチを務めた手倉森浩さん(日本サッカー協会東北地域統括ユースダイレクター、青森県五戸町出身)は「仙台には有利となる」と予想する。「降格がない安心感があり、相手の状況に合わせて変化するより、個の能力を表現しやすくなる。アグレッシブな攻撃とともに、守備も前から積極的にボールを奪いに行かせると思う」とみる。
 7季ぶりにJ1復帰した10年は苦戦し、最終節で残留を決めた。「残留争いに巻き込まれるとより守備的になり、サッカーの質が変わる」と振り返る。今季就任した木山監督は最終ラインからのビルドアップで相手守備を崩す攻撃的な戦術を志向。今季は「やりたいことを表現できるのではないか」とプラスと捉える。
 選手の視点ではどうか。07〜13年に仙台でプレーし、昨季限りで引退したサッカー解説者の田村直也さんは「降格しない安心感は全くない」と言い切る。プロ13年の経験から「活躍しないと戦力外となる可能性は変わらず、心理面に変わりはない」と語る。
 リーグ再開後は過密日程となる可能性が高く、若手の積極起用もありそう。「4チームも降格を余儀なくされる来季に備えて選手強化に比重を置くと思う。選手はアピールすることを続けないといけない」と一層の奮起が求められると指摘する。
 木山監督は今季の目標を「最低でも1桁順位」と掲げている。手倉森さんは「順位という結果を出さないとサポーターは納得しない。ベストを目指してほしい」とエール。田村さんは「降格がない分、サポーターは違った楽しみ方ができると思う。最終戦までスタジアムに足を運び、選手を後押しすることがチーム強化につながる」と呼び掛ける。
(原口靖志)