リングが生きがい 聴覚障害の13歳・今井君 23日に慈善試合出場へ

リングが生きがい 聴覚障害の13歳・今井君 23日に慈善試合出場へ

 「もっと強くなりたい」−。川崎市多摩区にあるプロレス団体「ヒートアップ」の道場に足しげく通う13歳がいる。生まれつき耳が聞こえず、都内の特別支援学校に通う今井礼夢(らいむ)君=東京都国分寺市=だ。大好きなプロレスに笑顔で打ち込む少年を、周囲の屈強な大人たちも温かいまなざしでサポートしている。

 自分より一回りは体格が大きい仲間に交じって、リング上で激しく体を打ち付ける。三点倒立からの受け身や、組み合った直後に瞬時に腕を絡めて投げる技などを次々にこなしていく。安全面に配慮した「プロレスフィットネス」に約2時間打ち込んだ。肩で息をしながらも、心の底から楽しんでいるような温和な笑みが浮かんでいた。

 礼夢君がヒートアップの道場に通い始めたのは昨年9月。母で自民党の参院議員・絵理子さんと、ヒートアップの田村和宏代表が障害者支援で共鳴し、交流を始めたのがきっかけだった。

 約3年前からプロレスにはまっていたという礼夢君。ヒートアップの試合観戦や、週2回程度の道場通いに夢中になるまでに、時間はそうかからなかった。練習を見守っていた絵理子さんは「障害があると、入り口に立つことすらかなわないことが多いのが現実」と語る。だから練習に打ち込む息子はまぶしく映る。「生きがいをもってキラキラしている」

 田村代表の姉はダウン症で、ヒートアップとして障害者の雇用支援などの活動に精力的に取り組んでいる。道場生として、障害のある子どもを受け入れるのは礼夢君が初めてだったが、田村代表は「スポーツは身ぶり手ぶりでコミュニケーションが取れる。大人と触れ合うきっかけにしてほしい」と話す。意思疎通を円滑にするために用意したホワイトボードも最近はめっきり使用頻度が減った。ぶつかり合うことで、互いに分かり合えることが格段に増えた。宮前区から通う道場生の柳雅和さん(56)も「どんどん上達している。プロレスは力だけじゃない。みんなでもり立てている」と、礼夢君の奮闘ぶりに目を細める。

 23日にカルッツかわさき(川崎区)で開催する「障がい福祉青少年育成チャリティー大会」では、道場生による発表会も予定されている。3千人規模の会場で「4対4」の変則マッチに臨む礼夢君は「緊張しているけど、楽しんでやりたい」。田村代表は「障害の有無にかかわらず、みんなでつくりあげる姿を表現できればいい」とヒートアップの理念を、13歳の小さな背中に重ね合わせる。

 チャリティー大会のチケットの問い合わせなどはヒートアップ電話044(712)4312。

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