神奈川県立知的障害者施設「津久井やまゆり園」(相模原市緑区)で2016年7月、入所者ら45人が殺傷された事件で、殺人などの罪に問われた元職員植松聖被告(29)の裁判員裁判の第3回公判が15日、横浜地裁であった。青沼潔裁判長は冒頭、「甲A」と呼称されていた犠牲者について、今後は「美帆さん」と呼んで審理すると説明した。

 青沼裁判長によると、1月14日に遺族の代理人弁護士を通じて上申書が提出され、地裁側が15日に要望を認める決定をしたという。

 美帆さんの母親は8日の初公判を前に、「美帆の生きていた証しを残したい」として報道機関に手記を寄せて実名を公表。初公判の閉廷後もコメントを寄せ、姓を明かさずに「美帆」のみの呼称で審理してほしいと求めたが、フルネ−ムか匿名しか認められないとして地裁に断られた経緯を明かし、「とても残念です」と打ち明けていた。

 15日午前の公判では、検察側の証拠調べで、被告の幼なじみだった園の元同僚のほか、亡くなった美帆さんと「甲B」さんの母親の供述調書が読み上げられ、被告の事件前の様子や被害者の人柄などが明らかにされた。