150キロ超の覚醒剤をタイから船舶で密輸したとして、覚せい剤取締法違反などの罪に問われたイラン国籍の貿易会社役員の被告(42)=横浜市西区=の裁判員裁判の判決公判が14日、横浜地裁であった。田村政喜裁判長は「極めて多量の覚醒剤輸入に不可欠な役割を果たした」として、懲役23年、罰金1千万円(求刑懲役25年、罰金1千万円)を言い渡した。

 公判で被告は密輸への関与を否定し無罪を主張。ココナツ炭の輸入に携わっていた被告が、荷台として使われた木板の内部に覚醒剤が隠されていたことをあらかじめ認識していたかが争点となった。

 田村裁判長は判決理由で、ココナツ炭の輸入前に被告が連絡を取っていた相手が密売組織の関係者だったことや、荷物の到着後に被告自身が木板から隠匿物を繰り返し取り出していた点などを指摘。密売組織と被告の協力関係を認定し、「被告は遅くとも覚醒剤が輸出された時点で木板に違法薬物が隠されていたことを認識していたと強く推認される」と述べた。

 判決などによると、被告は何者かと共謀して2018年9月19日、覚醒剤約50キロを隠し入れた木板をタイの港で貨物船に積み込んで横浜港に密輸したほか、同10月16日にも同様の手口で覚醒剤108キロ余りをコンテナ船で横浜港に密輸した。