カジノを含む統合型リゾート施設(IR)の横浜市への誘致に反対する二つの市民団体が23日、誘致撤回を求める署名を市に提出した。誘致の推進事業費4億円を計上した市の2020年度一般会計当初予算案が最終日の24日に市会本会議で採決されるのを前に、2団体は「予算を新型コロナウイルスの対策に回すべき」「カジノで悲劇を増やしてはいけない」などと訴えた。

 署名を提出したのは、寿地区(同市中区)でギャンブル依存症の患者を診察する医師らでつくる「横浜へのカジノ誘致に反対する寿町介護福祉医療関係者と市民の会」(略称・KACA)と、横浜を除く県内在住者らで立ち上げた「横浜IRカジノに反対する横浜市民以外の会」。

 KACAは約8200筆の署名を提出。昨年9月に提出した分と合わせると、署名は計約1万5620筆に上るという。また新型コロナウイルスの感染拡大が収束しない中で、推進事業を粛々と進める市の対応に抗議声明を出した。

 事務局長の越智祥太医師は市役所で会見し、「予算(=推進事業費)は撤回し、新型コロナウイルスの緊急対策にこそ回すべき」と批判。IRに対する市の考え方を示した「横浜IRの方向性」の素案についても「社会的コストは出さず、誘導的」と指摘した。

 一方、10人ほどで約1カ月前に活動を始めた市民以外の会も約1360筆を提出した。

 発起人の滝本太郎弁護士は会見で「日本には既にパチンコなどによるギャンブル依存症がある。これ以上、カジノで悲劇を増やしてはいけない」と強調。IRが誘致された場合、「市民以外の生活、家庭にも影響する。横浜市には収入があるかもしれないが、市民以外は被害しかない」と訴えた。