ノーベル化学賞受賞者で神奈川県藤沢市名誉市民の吉野彰さんが、同市立滝の沢小学校(同市遠藤)の卒業生にメッセージを届けた。新型コロナウイルスの感染防止による一斉休校の余波で講演会が延期になっており、19日の卒業式に合わせて子どもたちに門出の言葉を贈った。

 吉野さんの自宅が近い縁で同小は3月2日に講演会を予定していたが、予期せぬ休校決定で開催直前に延期せざるを得ない状況に。特別な学習機会が失われ、生徒や教職員は残念な思いを募らせていたところ、吉野さんが卒業生にメッセージを送りたいと提案。卒業式に向け、署名入りの書簡が寄せられた。

 メッセージで吉野さんは卒業生の門出を祝福し、「自分で将来の目標をしっかり持つこと」の重要性を強調。長年にわたる研究の結果、イノベーション(技術革新)を生み出した自らの経験を踏まえ、「目標がしっかりしていると、途中でいろいろ苦しいときがあっても、必ず目標は実現する」とエールを送った。

 書簡は同校で保管。カラーコピーが卒業生107人に贈られた。教室で渡された生徒たちからは驚きの声が上がったという。卒業式でメッセージを代読した森伸一校長は「例年と違い制限の多い中での卒業式だったが、卒業生にとってまたとない大きな励みになったと思う」と話した。