3月末で閉校する相模原市立青根小学校(同市緑区青根)で23日、最後の卒業式が開かれた。新型コロナウイルスの感染拡大で28日に予定していた閉校式が延期になり、地域のシンボルも最後の日に。地域住民らが見守る中、唯一の6年生山口咲雪さん(12)は巣立ち、同小は146年の歴史に静かに幕を閉じた。

 津久井地域の山あいにある同小は1873(明治6)年に開校。1943(昭和18)年には校舎裏の山林から切り出したヒノキやスギを使い、住民総出で木造2階建ての校舎に建て替えた。地域住民が運動会に参加するなど、同小は約500人が暮らす地域にとって中心であり、誇りだった。

 だが少子高齢化の波が押し寄せる。50年代に200人以上いた児童は減少。地域も2000年代に55歳以上が半数以上を占めるようになり、県内唯一の「準限界集落」となった。

 追い打ちを掛けるように、県内最古で唯一の現役木造校舎が16年4月、原因不明の火災で焼失。児童は近くの市立青根中学校の校舎を間借りして勉強を続け、多くの地域住民は学校行事に関わることで見守り続けた。ただ児童・生徒の減少にはあらがえず、市教育委員会は18年11月、同小と青根中を閉校することを決定。約8キロ離れた青野原小・中の校舎を使い、新たに小中一貫校「青和学園」が開校する。

 校舎内の集会室で行われた最後の卒業式は感染拡大を防ぐため、約20分に短縮され、山口さんは倉田秀文校長から卒業証書を受け取った。式典後の「卒業生を送る会」で、山口さんが「卒業式が行われるのは当たり前ではないことが分かった。こうして無事に卒業できてうれしい」と話すと、3、4年の在校生3人や教員、地域住民らから大きな拍手が起こった。

 山口さんは焼失した木造校舎について「ショックだったけど、みんなで乗り越えてきた」と回顧。見送る人たちに、笑顔でこうあいさつした。「閉校になってしまって悲しいけれど、皆さんとつくった思い出は決して忘れません」