22日の衆院予算委員会で公明党の赤羽一嘉元国土交通相が自民党派閥パーティー裏金事件への対応を巡り、岸田文雄首相(自民党総裁)に「自民としての政治改革案を一両日中にまとめよ」と迫った。「総理のやる気のなさ」(野党議員)に与党内からも怒りが爆発した格好。同日朝には報道各社が衆院島根1区補選の情勢として自民候補の劣勢を伝える中で「いよいよ“岸田おろし”の風が吹き始めた」(自民の閣僚経験者)との見方が広がった。

 赤羽氏は「総理は『法改正に向けて先頭に立つ』と繰り返すが、与党協議が始まってなお自民案がまとまらない現状は何なのか。本気ならすぐにでも提示すべきだ。出す時期を明言せよ」とただした。同氏の姿勢には野党席から「そうだ」とのかけ声が飛び、同調の拍手が起きた。

 「与党協議と並行して案をとりまとめる」と時期の明言を避けた首相に対して「そんなのでは通じない」と断言。自民が23日に政治刷新本部の全議員意見交換会を構えているとの情報を踏まえ、「一両日中に」と期限を区切ってくぎを刺す執念深さを見せた。

 公明に続き野党も首相を追及。立憲民主党の岡田克也幹事長は「本当にやる気があるのか」と問うたものの、首相は「与野党の議論に貢献する」「話し合うのはやぶさかではない」と答弁。議場からは「上から目線」「人ごとだ」などの怒号が上がり、岡田氏は「事件を起こした当事者である自民が材料を示さないから議論が停滞しているのだ。責任感がまるでない」と批判した。