睡眠中や起きているときも、鼻ではなく口で呼吸をしてしまう方がいます。

口呼吸には、実は多くのデメリットがあり、口呼吸が癖になっている方はこれを機会にぜひ改善していくことをおすすめします。

口呼吸のデメリットや治し方について、詳しく解説していきます。

口呼吸はなぜ悪い?

口呼吸のデメリット

口呼吸がなぜ悪いのか、ここではそのデメリットを紹介していきます。

口臭・虫歯の原因になる

口の中は普段、唾液で保湿された状態です。しかし、口呼吸をすると口から直接空気が入るため、口の中が乾燥しやすくなります。

口呼吸が癖になっている人は、口の中が常に乾燥し、唾液の分泌が間に合わない状態になっています。唾液にはでんぷんを消化する以外に、殺菌効果もあります。

そのため、口腔内に唾液が少なくなると、唾液の少ない口腔内では殺菌ができず、菌やウイルスが繁殖しやすくなります。

そして、その菌やウイルスが口臭や虫歯の原因になるほか、口腔内が炎症を起こしやすくなり、口内炎の原因となってしまうこともあるのです。

集中力や記憶力の低下

起きているときだけでなく、夜間の睡眠時にも口呼吸になっていると睡眠の質を下げてしまいます。それにより、集中力や記憶力にも影響を与えることになります。

見た目や身体の老化

口呼吸では常に口が開いているため、口周りの筋肉が緩みやすく、顔のたるみの原因になることもあります。

また、歯並びや顔の輪郭が乱れたりするなど、見た目や身体の老化につながります。

感染症にかかりやすくなる

常に口が開いていると、風邪などの菌やウイルスも口から入りやすくなります。そして、菌やウイルスが体内に多く入ることにより、風邪などの感染症にかかりやすくなってしまいます。

このため、可能であればできるだけ早めに口呼吸を改善するのが良いでしょう。

口呼吸になる原因

呼吸は基本的に鼻でしますが、なぜ口で呼吸してしまうのでしょうか?

それは、風邪をひいたり鼻詰まりがひどかったりして、口で呼吸しないとつらい状況があり、それを無意識のうちに続けてしまうことで「なかなか口が閉じなくなった」という可能性があります。

また、歯並びがひどく口が閉じにくいことが原因で、口が開いた状態になっていることも考えられます。

口呼吸の治し方

口呼吸を改善する生活習慣

まずは、口を閉じる習慣をつけることです。口を閉じたときに、舌は前歯の裏にくるようにすると良いでしょう。

今まで口を閉じる習慣がないと、最初は口を閉じているのが苦痛かもしれません。その際、なんとか口を閉じようと、奥歯を噛み締めたくなってしまいます。

しかし、奥歯を噛み締めると身体にも力が入り、疲れやすくなってしまいます。

リラックスするためにも、奥歯に力を入れず口を閉じるようにしましょう。

ガムや飴も効果的

ガムを噛んだり、飴を舐めたりするのも効果的です。ガムや飴が口の中にあることで、口を開け続けることを防げるからです。

口を閉じて、ガムが見えないように噛むことを意識し、飴は噛まずに舐めるようにしましょう。

口呼吸の改善グッズについて

口呼吸を改善するためさまざまなグッズが販売されています。

これらを使って口呼吸を改善してみるのも良いでしょう。

マスク

マスク自体に口呼吸の改善効果はありませんが、口が開くとマスクがあたるため意識しやすくなります。また、鼻から口を覆うようにマスクをすることで、口の乾燥を防ぐことができます。

口に貼るテープ

口が開かないように、口の中央の鼻下から顎にかけて貼るテープです。テープを貼ると強制的に口を閉じるので、口呼吸がしづらくなり鼻呼吸を促します。

誰とも会わない夜間や休日に試してみましょう。

マウスピース

口を開かないようにするための上下一体型のマウスピースがあります。これは口に合わせてつくる必要があるため、歯科や歯科口腔外科でつくります。価格はさまざまですが、約5,000円でつくることができ、保険が適用される商品もあります。

自分の口や歯型をとってつくられるので使いやすく、睡眠時の口呼吸を防ぐことができます。

また、睡眠時無呼吸の程度が軽い方は、マウスピースを使用することで改善することができます。呼吸器科や睡眠外来の先生に相談してみてください。

その他の治し方

口周辺の筋肉を鍛えることで口が閉じやすくなり、口呼吸の改善に役立ちます。

口周辺のエクササイズを取り入れてみるのも良いでしょう。

「あいうべ」体操

「あいうべ」体操は、口を思いきり開けて「あ」「い」「う」とゆっくり口を動かし、最後の「ベ」のところで舌をしっかり下におろす体操です。

口周辺の筋肉を使い、道具も場所も選ばないため、気付いたときにすぐできます。

インフルエンザなどさまざまな感染症予防に効果が期待できると言われており、虫歯や歯周病なども改善する可能性があると考えられています。

ペットボトル体操

紐の片側の端にボタンを結び付け、20〜30㎝余裕を持たせて反対側の紐の端に300ml水を入れたペットボトルを結び付けます。

そして、ボタンを前歯と唇の間で挟むようにくわえ、そのままペットボトルを持ち上げ20秒ほどキープします。1日に5回ほどを目安に行うと良いでしょう。

口呼吸を治したい…病院でも相談できる?

口呼吸を治すために病院で相談することもできます。基本は歯科口腔外科で診てもらいますが、鼻づまりなどを伴う場合は耳鼻咽喉科で診てもらいましょう。

治療方法

口呼吸の原因によって、治療方法は異なります。歯並びが影響しているようであれば、歯の矯正や筋肉を鍛える、上記のあいうべ体操やマウスピースなどで治療していきます。

鼻づまりが原因の場合は、鼻づまりを解消する治療が優先されます。

夜間の睡眠時無呼吸症などが気になる方は、呼吸器科や睡眠外来で相談してください。

まとめ

口呼吸は感染症のリスクを高めるだけでなく、集中力や記憶力にも影響を及ぼし、日常生活に支障をきたします。

また、口の筋肉がゆるむことで、見た目の印象も変えてしまいます。老化やたるみの原因となるため、アンチエイジングのためにも口呼吸を改善したいものです。

さまざまなグッズや体操がありますが、まずは口呼吸をしていると自覚を持ち、口を閉じる習慣を意識することです。

習慣になるまでは大変かもしれませんが、意識して口呼吸を改善していけるように努めましょう。

 

執筆者:荒牧内科 荒牧竜太郎 医師

1998年 埼玉医科大学 卒業 1998年 福岡大学病院 臨床研修 2000年   福岡大学病院 呼吸器科入局 2012年 荒牧内科開業

地域密着型で、内科全般を診療。早期発見、早期治療が病気の予後を変えるため、患者さんに有益な情報発信を行っていく。