バイエルン・ミュンヘンの快進撃は、チャンピオンズリーグの舞台においても止まるところを知らない。12試合連続勝利、アウェイ戦では13試合連続無敗中であり、さらにグループリーグでは17試合連続無敗。これらの数字すべてが、今夜モスクワにて行われる試合でさらに更新される可能性を秘めている。2016年11月に行われたロストフ戦での敗戦から始まった、この流れが。

 現在の好調の裏にあるのは、パフォーマンスの好調さのみならず、メンタリティによる部分も大きく影響を及ぼしている。例えばコロナ危機による過密日程にも、「どうせ9月から12月までは、週に1試合しかない時なんて1回あるくらいなんだから」と、トーマス・ミュラーは前年と大差がないことを強調。加えてドイツ代表から離れていることにより、代表戦休暇というボーナスを享受する選手も何人かいるところだ。そもそもミュラーは過密日程での疲労に関する議論について、このような考えを持っている。「疲労に関する議論というのは、しばしばピッチ上でのパフォーマンスでうまく機能しないとき、説明がつかないとよく出てくるものさ」

 例えばブンデス第2節のホッフェンハイム戦で喫した敗戦(1−4)などがその類だろう。だがハンジ・フリック監督は月曜日の会見の席でも、改めて「疲労を抱えていても、良いパフォーマンスは60分程度までなら発揮できるものだ」と言い訳に利用する考えはない。加えてバイエルンでは豊富なオプションが手元に揃っているところであり、展開次第でミュラーやレヴァンドフスキらを早めに温存して、ベンチで虎視淡々とチャンスを待ちわびる選手たちへ任せることもできるだろう。

 また現在のようにうまく機能する限りは、自然とモチベーションも上がってくるというもの。「サッカーをするということが、自分たちにとって苦しみになるということはない」とミュラーは明言。「僕たちにとっては楽しいことだし、特に攻撃の選手は創造性を発揮して、ピッチ上で輝きたいと思っているもの。それに上位のクラブでは、かかる期待も大きなものがあるしね」

 これまでバイエルンでは、逆境に直面してもそれに抗う術を、身につけてきた。だからこそ「こういった挑戦というのは、僕たちは前のめりで受け入れる」姿勢をもっており、今回のコロナ危機に関して首脳陣からも、特別な指示もなされていないという。「檄を飛ばす必要なんてないさ。僕たちとしてはとにかく楽しむことさ」実際にバイエルンといえど、いつなんどき苦境へと陥るかわからないもの。それはわずか1年前に、自らが直面していたように。