県内で起業を目指す女性が目立ってきた。各地で開かれるセミナーでは、女性参加者の割合が男性を上回っている。起業を支援する団体によると、女性の創業はサービス業や小売業といった業種が多いのが特徴。子育て中でも時間の融通が利くことや、自分のやりたい仕事をする自己実現のため、起業を選択しているとみられる。(経済部・浜松聖樹)

 富山商工会議所が2019年に開いた「創業ビジネススクール」の受講者全31人中、女性は半数を超える16人だった。前年は全24人のうち女性は6人(全体の25%)で、大幅に増えた。富山市八尾山田商工会が19年に開いた「創業セミナー」は受講者16人中9人が女性で、若い年代が多かったという。

■サービス業多く
 県経営支援課のまとめでは、起業家を育成する「とやま起業未来塾」の修了者は05〜19年度の15年間の合計では男性228人、女性157人で男性が多い。だが、過去5年間に限れば男性54人、女性52人で差はほとんどない。

 創業者に助成を行う県新世紀産業機構によると、女性が起業した業種は美容サロンやマッサージといったサービス業が多く、自然食のカフェや託児の事業を始めた人もいる。

■好きな時間に仕事
 女性が正社員やパートよりも起業を選ぶ理由について、同機構の加藤健経営支援課長は「子育てで忙しくても、自分の好きな時間でやりたい分野の仕事ができるためではないか」と話す。近年は会員制交流サイト(SNS)などインターネットで情報発信できるため、周知するコストが下がり、店の立地に関係なく起業しやすいという。

 既婚女性で夫の収入を家計のメインにしている場合は創業しやすい環境にあることや、資金や手続きの面で以前より会社を設立しやすいことも背景にあるとみられる。