2月16〜19日に富山、南砺両市で開かれる国民体育大会冬季大会スキー競技会「とやま・なんと国体2020」が1カ月後に迫り、会場となるスキー場は雪不足で滑走できない状態が続いている。主催する日本スポーツ協会や県などは予定通り実施する方向で準備を進めているが、このままの状況が続けば、中止も含めて対応を協議する方針。 (社会部・中島慎吾)

 県の冬季スキー国体推進班は、競技の実施には選手の安全が確保でき、公平に競技が行える積雪が不可欠としている。競技関係者によると、各会場で、圧雪した状態で少なくとも30センチの積雪が必要となる。

 各会場の15日現在の積雪は、アルペン会場のたいらスキー場(南砺市)が10センチ、距離会場のたいらクロスカントリーコース(同)が5〜10センチ。ジャンプ会場の立山シャンツェ(富山市)にも雪がなく、競技が行えない状況だ。 

 スキー国体の県内開催は2000年とやま国体以来20年ぶり3度目で、選手、役員ら約1800人の参加を予定。日本スポーツ協会の担当者は、県外に会場を移すことは宿泊施設確保などの観点から「考えられない」とし「富山での開催が厳しいようなら、どこかの段階で主催3者(同協会、文科省、県)が協議し対応を決めなくてはならない」と話す。

 その場合、中止だけでなく、一部競技のみを実施したり、規模を縮小して開催したりとさまざまな選択肢が考えられる。ただ、いつまでに判断するかは具体的に決まっていないという。

 過去のスキー国体では、1951年の新潟国体で、雪不足により距離、ジャンプ、複合の3競技が中止になった例がある。

■関係者は開催切望

 スキー国体開催に「黄色信号」がともる中、県内の競技関係者や、選手らが泊まることになっている宿泊施設の関係者は開催を切望している。

 昨年の札幌国体の成年男子C大回転で優勝した高瀬慎一選手(慎緑社、富山市山田中瀬)は42歳で、年齢的に最後となる地元国体で連覇を飾ろうと意気込む。

 例年であれば今ごろはたいらスキー場で練習を重ねていたはずだが、今季は雪不足で滑れず、長野のスキー場まで足を延ばして本番に備えている。地元の利を生かせない状況だが「一生懸命準備してくれているスタッフの苦労を形にする意味でも、なんとか開催できれば」と願う。

 南砺市の五箇山荘は、国体期間を含む1週間、全21室に選手らが泊まる予定となっている。中止なら全てキャンセルとなり、経営に痛手だ。松井明支配人は「地域振興という意味合いでも、ぜひ開催する方へ向かってほしい」と話した。

■まとまった雪、当面は期待薄

 富山地方気象台は、今後も県内は寒気の影響を受けにくく、15日時点で予報が出ている27日まではまとまった雪の降る可能性は低いとしている。

 同気象台によると、今冬は上空の偏西風が北に蛇行して寒気の影響を受けにくいため気温が高く、県内は15日時点でまだ平野部で積雪が観測されていない。富山では今季一度も気温が氷点下となった日はない。

 一年で最も気温が低くなるのは1月下旬から2月上旬にかけてだが、新潟地方気象台が9日に発表した2月10日までの北陸地方の天気予報では、平均気温が平年より高い可能性は70%としている。