富山市社会福祉協議会(同市今泉)が2008年度から養成してきた市民後見人候補者の1人が、富山家庭裁判所の選任を受け、県内初の市民後見人が誕生した。同社協が13日発表した。認知症などで判断能力が不十分な人をサポートする成年後見の担い手不足解消に向けた第一歩となる。市民後見人第1号となった同市の元民生委員、荒木順子さん(76)は同社協で取材に応じ「市民後見人がもっと増え、皆で助け合える社会になればいい」と語った。

 成年後見は、認知症や知的、精神障害などで判断能力が不十分な人に代わり、家裁が選任した後見人が財産管理や福祉サービスの契約などを行う制度。従来は親族のほか、弁護士や社会福祉士ら専門職、社協などの法人が担ってきた。高齢化で制度のニーズが増え、担い手が不足する中、全国で一般市民による後見人が育成されている。

 富山市社協は08年度から市民後見人の養成講座を開き、これまで211人が修了。13年度からは法人後見にも取り組み、修了者は支援員として見守りや後見業務に協力してきた。

 荒木さんは、民生委員として活動する中で成年後見制度を知り、10年度に講座を受講。修了後に支援員として関わってきた市内の80代女性の後見人を務めることになった。「資格も持たない主婦だが、支援する方に寄り添っていきたい」と話した。

 同社協は後見監督人として荒木さんをサポートしていく。担当者は「市民後見人が地域に根付くようにしたい」としている。