富山駅の南北を走る路面電車をつなぐ南北接続事業が完了し、20日、富山駅で開通式が行われた。営業運転は21日から始まる。1908年の富山駅開業以降、100年以上続いた鉄路による南北分断が解消され、富山市のコンパクトなまちづくりは大きな到達点を迎える。

 南北接続は、駅の北側で旧富山ライトレールが運行したLRT(次世代型路面電車)と、南側で富山地方鉄道が走らせる市内電車のレールを駅高架下で結ぶ市の事業。全国にない取り組みで、全長15・2キロのLRT網が完成する。事業費は約40億円。市街地の活性化や通勤通学、買い物の利便性向上が期待される。

 式には森雅志市長や赤羽一嘉国土交通相、石井隆一知事、県選出の国会議員ら約150人が出席した。森市長は「市民100年の夢が実現する。まちづくりはこれで終わりでなく、ゆとりと豊かさを実感できる魅力的な都市の創造にまい進していく」とあいさつ。関係者がテープカットし、開通を祝った。

 式後は記念乗車があり、女優で特別副市長の柴田理恵さん(富山市八尾地域出身)が、篠原玄太運転士に花束を贈呈。招待客がライトレールの車両だったポートラムと、環状線のセントラムに乗り込んで中心部を周遊した。

 接続後は、乗り換えなしに南北を移動できる直通ルートが3路線あり、北端の岩瀬浜と駅南の3方面(環状線、南富山駅前、富山大学前)を結ぶ。富山地鉄が運行を担い、運賃は全線均一で大人210円。


 ◇富山ライトレール 富山市がJR富山港線を引き継ぎ、2006年に開業した路面電車を運行した第三セクター。市民の間で路線の愛称として根付いた。富山駅北−岩瀬浜の7・6キロを結ぶ。接続に伴い、今年2月に富山地鉄に吸収合併された。

 ◇富山地鉄の市内電車 富山駅の南側を走り、3方面で運行する。2015年の北陸新幹線の開業に伴い、駅高架下まで延伸された。中心部を走る環状線は09年に開業。大手モールや総曲輪をつなぐ総延長3・4キロの「円」の路線で、反時計回りに走る。