南砺市福野地域の福野神明社春季祭礼で引き回される曳山(ひきやま)の一つ、横町曳山保存会(川原一博会長)の車輪の修繕が完了し、25日、神明社周辺で試し引きされた。大規模修繕は1849(嘉永2)年に車輪を新調して以来171年ぶりで、住民の思いを受けて美しい姿をよみがえらせた。 

 江戸時代から引き回されている横町の曳山は、劣化が激しくなっていた。車軸の交換はこれまでも行われてきたが、車輪の修理は今回が初めて。1200万円余りの修繕費は町内の積立金のほか、日本芸術文化振興会、南砺市からの助成金を充てた。

 昨年5月から高岡地域文化財等修理協会(中村喜久雄会長)のメンバーが修繕を始め、宮大工の技術や車輪に鉄の輪を取り付ける「焼きばめ」といった伝統的な工程で行われた。

 25日は横町の住民が、完成した車輪を取り付けた曳山を倉庫から運び出した。漆を塗って金具が取り付けられた車輪が青空の下で輝き、住民たちは「格が上がった」「鏡のよう」と喜びの声を上げた。

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、5月3日の春季祭礼を実施するかはまだ正式決定していないが、川原会長は「これで先代からの歴史を次に伝承できると思うと、有意義な気持ち。3日も何とか成功させたい」と意気込んだ。

 (湯浅晶子)