■発生分析し情報発信

 魚津埋没林博物館と富山大は、蜃気楼(しんきろう)が発生する気象条件を探ろうと、ミラージュランド(魚津市)の観覧車に温度計を設置した。同館の佐藤真樹学芸員らが海に近い立地と高さに着目。高さ約34メートルの支柱など3カ所に取り付け、高度ごとの温度変化を分析する。将来的には、ほぼリアルタイムで観測情報を発信することを目指す。 (松下奈々)

 蜃気楼は、温度の異なる空気層の境で光が屈折し、風景が変形して見える現象。佐藤学芸員は、昨年からドローン(小型無人機)で海上の気温を観測してきた。結果、蜃気楼が現れる大気の気温差は、地上15メートルくらいの高さで発生すると予測。観覧車の高さを利用し、地上約34メートル、同15メートル、同7メートルの3地点で気温を測定することにした。

 佐藤学芸員は、富山大大学院理工学教育部の博士課程で蜃気楼を研究している。25日は、同大の青木一真教授、島田亙(わたる)准教授と共に観覧車の点検用のはしごを上り、仮設置した温度計2機を固定し、高さ約15メートル地点に1機を設置した。常時稼働し、10分ごとに測定値を地上に送信する。大気中のちりを観測する装置も2月、同館に設置した。

 青木教授は「地表近くの大気の状態は分からないことが多い。どう変化しているか注目したい」と期待。佐藤学芸員は今後の結果次第で発生直前に情報発信することも可能になるとし、「より多くの人に蜃気楼を見てもらうことができるかもしれない」と話した。