■東南アジア共同出資企業 アサヒHDに事業譲渡

 北陸コカ・コーラボトリングの協力会社で酒類販売やシステム開発などを手掛けるGRN(高岡市内島)は、マレーシアとシンガポールでの自動販売機の運営事業から撤退した。共同出資していた現地のパートナー企業が保有株式を売却し、新たに大株主となった投資会社がアサヒグループホールディングス(HD)に事業を譲渡した。GRNは売却益などを活用し、新たな海外展開を模索する。

 GRNは2005年にマレーシアとシンガポールに進出。現地企業との合弁で自販機運営会社「アドベンド システムズ」を経営してきた。昨年末時点で管理する自販機はマレーシアで約4千台、シンガポールで約2200台を数え、両国で高いシェアを誇った。

 パートナー企業が経営者の年齢などを理由に事業から手を引くことになり、株式を投資会社に売却。全株式の67%を保有することになったこの会社の意向で、アドベンド社は今年1月でアサヒグループHDの完全子会社になった。

 GRNの稲垣晴彦社長は、撤退は本意ではなかったとした上で、配当や株式の売却益で投資額の4倍の金額を回収したと説明した。

 GRNは中国とベトナムでも自販機事業を展開する。マレーシアとシンガポールで事業を再開するチャンスを狙いつつ、他の地域への事業拡大を目指す。


■3年ぶり黒字転換 19年12月期

 北陸コカ・コーラボトリングが26日発表した2019年12月期の連結決算は、4年連続の減収減益となった。砺波工場に導入した新製造ラインの稼働遅れや夏の天候不順が響いた。商品単価の見直しで、純損益は3年ぶりに黒字転換した。

 単体の売上高は2・0%減の476億700万円。経常利益は17・9%増の3億9500万円、純損益は5億1400万円の黒字(前年・1億6700万円の赤字)で、価格改定が利益増に寄与した。販売数量は5・5%減の2919万ケースだった。20年12月期は増収増益を見込む。

 GRNの19年12月期連結決算も発表した。売上高は47・0%増の132億300万円、経常利益は3倍の2億5100万円、前年に70万円だった純利益は1億4400万円に大幅に伸びた。ウイスキーや中古自販機の販売が好調だった。


■「製造業停滞が心配」 国内回帰に期待

 決算会見に臨んだ北陸コカ・コーラボトリングの稲垣晴彦会長と井辻秀剛社長は、新型コロナウイルスの感染拡大による業績への影響を問われ「製造業の停滞が心配だ」と、自動販売機の設置先である工場の稼働低下を警戒した。

 2020年12月期は増収増益を予想しているものの、新型コロナの影響は加味していない。井辻氏は売り上げ減を抑えるため、「巣ごもり消費」向けの販売策を強化する考えを示した。

 GRNの社長を務める稲垣氏は、富山第一ホテルの利用減や若鶴酒造の業務用日本酒の販売減など、既にグループ内にさまざまな影響が出ているとした。

 一方で、海外進出メーカーで「国内回帰」の動きが出ているとし、「国内での生産活動が活発化することが期待でき、長い目で見れば悲観論ばかりではない」と話した。


■「来年へ準備」 五輪スポンサー

 延期が決まった東京五輪・パラリンピックの聖火リレーで、日本コカ・コーラ(東京)は最高位のスポンサーになっている。北陸コカ・コーラボトリングも営業エリアの北陸3県と長野県で運営に協力し、ランナーに飲料を提供する予定だったため、井辻社長は「残念だが、なくなったわけではない。来年に向けてしっかり準備を進めたい」と語った。