富山県サッカー協会の不正会計問題で、前事務局長の男性が得た1268万円をマイカーの改造やアウトドア用品の購入、遊興費に充てたと話していることが分かった。27日の総会で協会が説明した。これとは別に、富山市からの補助金を返還することになった原因について、協会側は男性のミスだったと説明する一方、問題を調査する第3者委員会は「不正取得のもくろみ」だったと指摘し、認識が食い違っていることも判明した。

 総会は滑川市の日医工スポーツアカデミーで非公開で行われ、約60人が出席。終了後に島田一彦会長ら役員が記者会見し、審議内容の一部を説明した。不正取得金の使途について、男性は協会の代理人弁護士に明かしたという。

 島田会長は、(1)領収書の偽造などで2016〜19年に1268万円を横領した(2)18、19年のU−15韓国遠征で必要以上の参加費を集めて86万円を所持していた(3)19年の少年サッカー大会に中国のチームを招くために得ようとした富山市への補助金の申請を誤った−という三つの事案に男性が関与していたと説明。(1)と(2)は全額返済されたが、(3)は不正ではなくミスだったと釈明した。

 一方で協会関係者によると、第3者委員会は協会に提出した報告書で(3)について、前事務局長が補助金の一部を不正取得する目的で、業者に過大分を含む請求書を発行させたと指摘。結果的に現金は得られなかったとしている。

 協会は、男性を7月にも刑事告訴する方針で、警察も捜査を始めているという。

 本来は総会当日に役員改選を行う予定だったが、8月の臨時総会まで持ち越すことになった。


■再発防止へ 現金やりとり禁止

 前事務局長の不正会計問題について、県サッカー協会は27日の総会で、再発防止策や役員推薦委員会を設置するなどの新体制づくりについて説明した。

 会計の透明性を確保するために、本年度からは同協会の全ての支出を金融機関の口座を経由させることにした。現金のやりとりを禁止し、着服などが起きない体制づくりを目指す。

 役員推薦委員会は有識者を中心に構成する。2月上旬に設置された第三者調査委員会の途中段階の報告で、従来の理事の人数や推薦根拠について提言を受けたためだという。8月8日の臨時総会までに新体制を発足させる予定で、島田一彦会長はこの役員改選で退任する意向を示している。

 理事改選について、新理事を一般公募することも決めた。募集は自薦のみとし、書類を7月3日までに同協会事務局に郵送するか持ち込む必要がある。


 ■専務理事「徹底調査を」

 27日の県サッカー協会の総会には、不正会計問題を重くみた日本サッカー協会の須原清貴専務理事がオブザーバーとして出席した。終了後に「今回のような事案の発生は大変に遺憾。徹底的に調査した上で再発防止や信頼回復に努めてほしい」とコメントした。

 前事務局長が不正に取得したとされる経費の多くは、日本協会からの補助金だったことを踏まえ「税金が元になっている補助金の管理や使途は、透明性や高潔性が担保され、正しく情報が公開されるべきものと考えている」と苦言を呈した。今後については「引き続き状況を注視し、最終報告を受けた後、日本協会の理事会で県協会への対応を検討する」として、指導などの措置を取る可能性を示した。