卒業アルバム、主役は私 「自分だけの一冊」人気

卒業アルバム、主役は私 「自分だけの一冊」人気

 お気に入りの場所で撮影した1人だけのポートレートがページの全面を飾る。そんなユニークな卒業アルバムが登場し、人気を広げている。少子化を背景に市場は縮小しつつあるが、「自分だけの一冊」で差別化を図り、活路を見いだそうとするメーカーの試み。選ばれるアルバムを目指し、業界の競争は激しさを増している。(松本茂祥)


 8月1日、兵庫県たつの市誉田町広山の誉田小学校で、3月に卒業した36人にアルバムが手渡された。卒業式の写真を収めるため、毎年この時期に配っている。

 ページをめくっていた子どもたちが一様にはにかむ。音楽会で伴奏したピアノの前で、友人と過ごした教室や運動場で…。それぞれのアルバムには、1人だけの肖像写真を全面に掲載した特別なページがある。

 バレーボールのプレー写真を撮影した女子生徒(13)は「6年間頑張ったバレーボール。アタッカーだった自分の姿を残せてうれしい」と喜んだ。

 撮影は「ながもと写真光房」=同市揖保川町新在家=が手掛けた。永本城作代表(53)によると、正面写真だった従来に比べ、時間がかかるようになったという。児童の希望を聞き、アングルや背景などを変えて撮影するため「1日10人がやっとということも」。

 写真はインターネット上で、子どもと保護者に選んでもらうのも一つの特徴。新アルバムの採用では増ページもあり、同校では1冊3千円値上がりして1万5千円になったが、「気に入った写真を掲載できることに関心を寄せる保護者が多かった」と永本さん。

 新アルバムを仕掛けたのは、業界最大手のダイコロ(大阪府枚方市)。発売した2015年度は全国で約50校が採用し、16年度は4倍の約200校に増えた。松本秀作社長(55)は「アルバムのパーソナル化。親が見て一目瞭然の付加価値を目指した」と語る。

 背景には少子化の影響がある。幼稚園から大学まで年間約9800校、100万冊の制作に関わるが、小学校は1学年当たりの平均の児童数は73人。ざっと2クラスしかないという。

 高性能のデジタル印刷機の登場も、従来とは異なるコンセプトの実現を可能にした。同社の新システムを使い、地元の写真館が写真データを送信すれば、指定したページのみを自動で差し替えることができる。

 「少量多品種の印刷に対応可能で、小規模校に力を発揮する」と松本社長。強みを生かし、海外展開にも乗り出している。

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