“化石”でいいの? 石炭火力発電計画、各地で岐路に

“化石”でいいの? 石炭火力発電計画、各地で岐路に

 福島第1原発事故後の原発稼働停止に伴い、全国で進む石炭火力発電所の増設計画が、電力需要の低下や地球温暖化の観点などから岐路に立たされている。兵庫県内では3カ所で計画されたが、うち1カ所は中止、1カ所は再検討により手続きが止まっている。神戸市灘区での計画は、環境影響についての住民説明会も開かれたが、二酸化炭素の排出量が多い石炭火力発電に、住民からは「世界の流れに逆行する」などと厳しい声も出る。(高田康夫)

 国は温室効果ガスについて、2030年度に13年度比26%減、50年に同80%減とする長期目標を掲げる。環境省によると、7月時点の石炭火力発電所の新増設計画は全国35カ所41基、計約1840万キロワット。その全てが稼働すると、30年度目標と整合する排出量を6600万トン程度超過するという。

 兵庫県内では2012年以降、神戸製鋼所神戸製鉄所(神戸市灘区)の2基の増設、電源開発の高砂火力発電所(高砂市)の2基建て替え増強、関西電力赤穂発電所(赤穂市)2基の改造−が計画された。

 その後、電力需要の伸び率鈍化や二酸化炭素排出削減への要請などを理由に、関西電力は1月末、赤穂発電所の燃料を石油から石炭に切り替える計画を中止。NPO法人「気候ネットワーク」によると、千葉県市原市に計画された1基と、岩手県大船渡市の1基が石炭を燃料とした火力発電の計画を中止したという。

 電源開発は、3月末までに高砂市に提出予定だった環境影響評価準備書の提出を遅らせている。同社広報室は「現時点で運転開始時期や、燃料に石炭を使うことに変更はない。経済性の強化へ、仕様を含めて再検討している」とする。提出時期は未定という。

 一方、神戸製鋼所は予定通り、7月に環境影響評価についての住民説明会を開催。神戸市灘区で開かれた説明会では、住民から「なぜ石炭火力を推進するのか」などと同社の姿勢を問う声が相次いだ。同社は高効率な最新技術を導入することや、関西電力に卸売りすることなどを説明し、「計画は国の温暖化対策、エネルギー政策に沿ったものだ」などとした。

 気候ネットワークの山本元研究員は「50年時点の目標で石炭火力が残ることは難しい。30年時点の目標は先進国としては低く、さらなる削減が求められる」と指摘。環境省は「建設したとしても目標は守らなければならず、先々厳しい状況になる可能性がある」としている。

スゴ得でもっと読む

スゴ得とは?

関連記事

おすすめ情報

神戸新聞の他の記事もみる
主要なニュースをもっと見る
社会のニュースをもっと見る
経済のニュースをもっと見る
政治のニュースをもっと見る
国際・科学のニュースをもっと見る
エンタメのニュースをもっと見る
スポーツのニュースをもっと見る
トレンドのニュースをもっと見る
生活術のニュースをもっと見る
地域のニュースをもっと見る

社会のニュースランキング

ランキングの続きを見る

社会の新着ニュース

新着ニュース一覧へ

人気記事ランキング

ランキングの続きを見る

東京の新着ニュース

東京の新着ニュースをもっと見る

コラム・街ネタ

東京のコラム・街ネタをもっと見る

特集

特集一覧を見る

記事検索