「この胸中、忖度してよ」 雑踏の中、無言の抗議

「この胸中、忖度してよ」 雑踏の中、無言の抗議

 名言、失言、暴言…。政治は言葉。人の心をつかんでは、離す。言葉を映す選挙の現場をカメラが追う。

 神戸市中央区の三宮センター街。雑踏の中、男性は無言でプラカードを掲げ続けていた。

 「カケモリ」の文字に怒りがにじむ。森友、加計(かけ)学園を巡る問題で一躍注目を浴びた「忖度(そんたく)」という言葉。本来の意味は「人の心を推し量る」だが、すっかり悪いイメージを帯びてしまった。

 拭えぬ政治不信。「真摯(しんし)に説明責任を果たす」と約束した安倍晋三首相からの丁寧な説明は聞かれないまま。突然の解散・総選挙と野党再編の過程は、そば店でもり、かけを注文したのに、きつねとたぬきが出てきた気分。

 「総理のご意向、いや真意を聞きたい」。そんな有権者の胸の内こそ「忖度」してよ。無言の背中が、言葉の意味を問い掛ける。(大山伸一郎)

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