住友ゴムアスベスト訴訟 因果関係認め賠償命令 神戸地裁

住友ゴムアスベスト訴訟 因果関係認め賠償命令 神戸地裁

 タイヤの製造工程で使う粉末「タルク」に含まれるアスベスト(石綿)などが原因で肺がんや中皮腫などを発症したとして、大手タイヤ製造メーカー「住友ゴム工業」(神戸市中央区)の元社員7人の遺族ら計23人が、同社に計約1億3300万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が14日、神戸地裁であった。本多久美子裁判長(黒田豊裁判長代読)は、元社員5人についてタルクに混入するなどした石綿と疾患との因果関係を認め、同社へ計約5900万円の支払いを命じた。

 原告側の弁護団によると、タルクに混ざった石綿と疾患との関連を認めた判決は全国でも珍しいという。

 本多裁判長は判決で、タイヤの製造工程の一部で、タルクや石綿の粉じんが飛散する状況にあり、元社員7人は吸引した可能性があると指摘。「会社は粉じんの発生や飛散の防止、安全教育や指導をしていなかった」と判断した。

 その上で、元社員5人は「吸引した石綿は相当な量だった」などとし、疾患との因果関係を認めた。ほかの2人については、医師の診断結果を踏まえ、「吸引量が多量とは推認できない」として、請求を棄却した。

 同社は「残念な結果だ。判決内容を精査し、今後の対応を決めたい」とコメントを出した。

 元社員7人は1945〜61年に入社し、タイヤのゴムを練る作業や成型業務などに従事。退職後に肺がんや中皮腫を発症し、6人が死亡した。原告らは11年11月、最高裁判決で団交権を認められ、同社と年齢に応じて金額に差をつけるなどした補償制度の見直しを求めて交渉したが、平行線をたどり、13年1月と16年1月に提訴した。

 同社は訴訟で、「元社員のうち2人は損害賠償請求権が時効により消滅している」と主張。本多裁判長は判決で、原告らが訴訟に至った経緯などを踏まえ、「時効制度の利用は権利の乱用で許されない」とした。

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